2013年4月10日水曜日

「OPEN」とストライサンド効果

このところウェブサイトなどで情報として出すか出さないかという判断に遭遇することが多く、世の中、出せないことが多いんだなぁと、改めて実感しています。どんなことが出せないのか具体的に書けと催促されると、私も「そんなの、書けません」と言うしかないんですが(笑)
画像:open
ある団体のミーティングで、お亡くなりになった方の情報を出すか出さないか。出すと引用されて、ネガティブにも書かれるから好ましくないとおっしゃる方がいらっしゃって。私は「オフィシャルサイトに、キチンとした内容が書いてないと、勝手な風説が広まりやすいですよ。オフィシャルサイトに、圧倒的な情報量があった方がプラスになるはずです」と発言しました。


あるクライアントの商品に関して、影響力のあるネットメディアが本質的ではない使い方を書いた。それが多数、引用されてツイートされているのを発見して、クライアントにどうしますかと判断をお聞きした。公式に発信することではないから、こちらからは積極的にアクションを起さないという返答。炎上するような内容ではなく、ブランド価値を損ねる可能性がある。というレベルなので、そういう判断もありでしょう。
もし、いい方向に向くようにしようと思えば、せいぜい半日ぐらい遅れまでぐらいで対応する必要があるので、やってくれと言われたら大変でした(笑)


画像:バースト表紙
『バースト!  人間行動を支配するパターン』という本に、面白い話が書いてあります。

アメリカに住むハサンというアーティストが、海外から帰国。デトロイトの国際空港に降り立つと、移民帰化局に拘束された。アルカイダ訓練キャンプの出身者ではないかと疑われていて、海外で誰に会ってきたのかとか行動の詳細や、借りている倉庫の中身などを聞かれた。アルカイダではないことは判明したのだけれど、その後もFBIに呼び出され、尋問を受けたという。

ハサンは頻繁に海外に出かけるアーティストなので、またこういうことがあって拉致されても困ると訴えると、FBIのエージェントは、困った事態が起こったら連絡してくれと言って、名刺をくれたそうです。
それからというもの、ハサンは逐一ネット上に、どこへ行ったか、何をしたかを写真で公開するようになった。私に怪しい行動はありませんと。すべて開けっぴろげにすれば、疑いようがないでしょうという、アーティストらしい発想。
ただ本人は写っていないので、フェイクかもしれないですけどね(笑) 



 思い出すのは、西原理恵子&高須克弥の熱愛宣言。そもそも、いろんなところにふたりで出没し、仲がいいと知られていたということだけど、「デキている」と嗅ぎ付けた女性週刊誌が駆けつけた。経緯はわからないですけど、取材するとサイバラさんと高須院長がふたりで登場。隠すどころか、赤裸々に交際の様子を語り、スクープどころか熱愛ぶりを見せつけた内容になったいう。
その後は、マスメディアでもネットでも盛り上がることなく沈静化。そもそも、このふたりの交際に興味ある人がいるのかという疑問もありますが。いや、だからこそ詳細に語ってしまえば、誰もそれ以上知りたくない。むしろ、もう聞きたくないと思ってしまうのでしょうか(笑) 





4月8日のGigazineに『Wikipediaに記事内容を削除するよう圧力をかけたら逆に注目を集める結果に』という記事が出ていました。
http://gigazine.net/news/20130408-wikipedia-article-french-station-hertzienne-militaire/

フランスの国内情報中央局(DCRI)が内容を削除するよう、運営しているWikimedia財団に圧力をかけていたことが明らかになりました。理由は「国防上の秘密が掲載されている」というものでしたが、Wikimedia財団では記事内容は公になった情報を集めたものだとして削除を拒否。記事をめぐる顛末によって、皮肉なことに注目を高める結果となりました。
というものです。


ある情報を隠蔽したり除去しようとしたりする努力が、逆にその情報を広い範囲に拡散させてしまうという意図せざる結果を生み出す」というのをストライサンド効果と呼ぶそうですよ。




大上段過ぎる感じはしますが、ネットを介して生まれつつある新しい“パブリック”──それはソーシャルメディア革命と3.11を経て見えてきた、大公開時代の新しいフロンティアだ!
と言ってる『PUBLIC』という本も、オススメです。サブタイトルにある「開かれたネットの価値を最大化せよ」という意味では、オープンにしないと最大化できないですから。








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