2013年6月25日火曜日

ソーシャルシフトとGoogle+ [その1]

先日、あるクライアントの偉い方から、どうしてアメリカのサイトはFacebookやGoogle+、Twitter、Youtube、Pinterestなどのソーシャルメディアに誘導するものが増えてるんだ。
オウンドメディア(この場合は自社サイトの意)の充実が先で、ソーシャルメディアに分散させるのはどういうメリットがあるのか。という趣旨のことを聞かれました。


それはレスポンシブデザインが、増えている理由と似ている。
(※ちなみに私は企業の公式サイトで、レスポンシブにする必要はないと思っています)
あ、レスポンシブデザインって、Google+が5月に切り替えたものがそう。PCでスマホで、タブレット端末で画面サイズに合わせて、プログラムでレイアウトを最適化して表示するというもの。
要するにインターネットの利用時間は増加傾向にあるけど、アクセスするのはPCからモバイル端末に移行していると予測されているからでしょう。たぶんPCからの利用は減ることはあっても、増えることは考えにくい。モバイルでは、この先も増加の一途。だと思います。電車に乗っていると、もう間違いないと思えます。
企業のサイトは、ユーザーがシフトすることが確実なら、それに合わせていこうと考えている。PC画面からお客さんが少なくなれば、お客さんのいるところに出て行きますということでしょう。



スマートフォンやタブレットの普及がさらに進めば、パソコンでウェブサイトが見られなくなるかとそんなことはないと思いますが、Googleはスマートフォン端末で再生できない動画をページ上に埋め込んでいるようなサイトの評価を下げるそうです。

CNET News
グーグル、スマホ対応が不適切なサイトの検索順位を引き下げへ




企業サイトを、一般の人が訪れる理由は、なんでしょう。その企業のファンなら、いろいろ理由はあるでしょう。ファンではない人は、ある商品やサービス、例えば洗濯機とか旅行カバンとか具体的なものを比較検討するのに、販売店ではなく、メーカーの公式サイトでスペックなどを、最終的に正式なものとして確認するため、ぐらいでしょう。

もちろん、なんとなく暇つぶしで見てるという人もいるでしょうけども、暇つぶしなら、なおさらソーシャルメディアの方が、Up To Dateな情報があるし、それに対する様々な人のコメントを読むことができます。
ファンの場合は、なおさら旬の情報に触れたいでしょうし。あれ? ということは、どっちにしろ企業サイトより、ソーシャルメディアの方が優位性がある?(笑)
いや、仕様や利用規約があっという間に変わってしまうソーシャルメディアだけに依存するのは危険ですし、あくまで公式な情報やイメージは公式サイトで発信すべきです。ソーシャルメディアは、どこまで行ってもラフ。


自社サイトへの誘導したいのなら、それぞれのソーシャルメディアから来てもらうルートを持っておくべきですし。逆にファンの人が自社サイトを訪れてくれた時に、ソーシャルメディアに誘導しておけば、忘れられることなく、ファンであることを継続してくれる可能性は高くなります。



そういうお話をさせていただいたところ、FacebookやGoogle+も登録だけはしているけれども、ぜんぜん使っていない。知り合いに個人的な情報を出して何が面白いのかわからない。とおっしゃいます(笑) 
そこは私も同感で、実名SNSで現在の、現実の人間関係を核に、つながってもなぁという気はします。会った時に、話すればいいわけですし。好みでしょうけど私自身は、過去の、学校や職場の人たちと、同窓会的にやりとりするのもなぁと思います。私は知らない人とつながった方が、面白いです。
Facebookは特に、アドレス帳を出せとか出身校を記入しろとうるさいですし、Google+は顔写真をあげろとメールしてきます。Google+は、そうすることによってメリットもあるのですが、Facebookで顔写真を出すのは出会い系的な使い方以外に、ほとんどメリットがないかもしれないです。ウェブ系の仕事をしている人の多くが、顔を出していないのは、共通する理由だと考えていいのではないでしょうか。




個人的なことはともかく、SNSでは、よく「つながる」という言葉がキーワードで語られます。でも実名SNSは、基本的には閉じた使われ方をしている。今や過去のリアルな人間関係を中心にソーシャルグラフが成立しているなら、それは限りなくクローズドに近い。投稿が一般公開されていても、そこに入って来る人はなかなかいないし、あまり興味もないのではないでしょうか。
Twitterも面白いネタや炎上するようなツイートは、爆発的に拡散したりしますが、匿名でフォローし合っていても、そんなに何十人もと濃くはつながれない。普通は、たまにタイムラインを見た時にツイートが流れてこなければ、目に触れることはないでしょう。
LINEを使っている人たちは、原則、閉じているわけですし。ソーシャルメディアといっても、せいぜい町内会ぐらいの使われ方しかしていないのではと思います。発信をしないで読んだリ見たりだけの人は、とても多いですし。


そんな閉じた使われ方が多いのだとすれば、企業や団体のFacebookページやGoogle+ページ、TwitterのアカウントやYoutubeチャンネルを持つ意味があるのでしょうか。それぞれの対応はさんざん書いていますけれども、接点が少ないからこそ、多くのソーシャルメディアに出て行って、発信した方がいいというのが基本だと思います。



何かの商品を買うときにデザインや見た目を優先する人には、Pinterestの滞在時間が長いかもしれませんし。MVが好きな人は、Youtubeにいる可能性が高い。
Facebook、Twitter、Youtubeは広告を打つという手がありますが、広告を打つなら、別のところでやった方がいいかもしれません。

じゃあGoogle+は? Google+はSNSだけじゃないんです。G-mailやYoutube、Googleマップなどが統合され、すでにネット利用のインフラになりつつある。従来の意味でのSEOじゃないですけど、Google対策としては必須のものだと思います。ネットの様々なサービスが乱立し、ユーザーのいる場所は分散し偏在しているのに対して、GoogleはGoogle+にいったん集約しようとしているように見えます。ハブとしても考えられますが、Google+によって色づけ、あるいは評価して送り出す濾過装置のような。





SEOのコンサルでもなんでもないですが、今までにもこのブログでGoogleやGoogleファミリー対策を書いて、それを読んだ関係者が実践したところ、「エリア + カテゴリー名」で1位になりました。
アルゴリズムを解明できなくたって、難しいことやらなくたって、Googleが有益な検索にしよう、スパムを排除しようとしているその方向性を見ていれば、これからの変化を先取りすることだってできると思っています。




[その2]に続く。





EFFECTは「消費者がつながり、情報共有する時代に適応せよ!」「消費者が発信する情報や体験の共有から生まれる影響力=エフェクトは何か」と言っていますが、消費体験が、それほど影響力を持って共有されているとは思いません。ただ基本的な構造は、こういうことかと。従来のメディアの影響力が低下している分以上に、SNSでの情報摂取が多くなるのは当然でしょう。

閉じこもるインターネットには、「パーソナライズ化」によって何が起こっているかを語っています。「完璧すぎるパーソナライズ」志向は、ネットが仕組みとして世界に向けて開かれているのと対照的に、多くの場合、実質的には個人を閉じさせ隔離しているのかもしれません。

ソーシャルもうええねんでは、モバゲーの儲けを支えるブルーカラー、食べログやらせライター、年収12億円アフィリエイター。ネットの裏。もうええねんと思っている人は少なくないでしょう。本当の消費体験よりも、やらせや煽りの消費体験の方が共有されているかもです。

ハスラーは、アメリカのプロフェッショナルたち、実質的には日本でいう士業の主にネットでのセルフブランディング、PRについて書いている。ハスラーとは客引きの意。「高学歴・有資格・専門知識だけでは取るに足らない存在になる」と。最近外資の知り合いの転職方法とプロセスを知って、衝撃を受けました。

IT批評 Vol.3。スマートフォンの普及によってリアルタイム情報を手にした消費者は、まったく予想のつかない行動をとりはじめている。 情報と体験の距離はネットによっていかに変化し、それが消費社会にどのような影響を及ぼしているのかを考察。





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