2014年7月24日木曜日

マクドナルドは、どうしてソーシャルメディアで叩かれるのか




今週、期限切れ鶏肉の事件の報道が、駆け抜けました。マスメディアのみならず、ソーシャルメディア上でもけっこうな騒動になっています。
私はマクドナルドのFacebookページでの対応を見ていて、どうしてこんなことをするのか不思議でした。そもそもマクドナルドは、ネットで叩かれやすい企業です。

画像:表参道のマクドナルド入口



外食産業の中で、売上規模はゼンショーHDの4000億円超に続き、約3000億円で二位に位置しています。ゼンショーは様々なブランドで展開していますが、マクドナルドはマクドナルドだけの売上のはずでしょう。
ファストフード業界では、独走状態の一位。二位の日本KFCの3倍以上の売上。
ハンバーガー業界としては、モスフードサービスの4倍以上だそうです。

これだけ強く、目立っていれば叩かれやすいのも当然かもしれません。
ただその一方で、特にソーシャルメディアの運用を見ていると、火に油をそそぐような対応をしているような気がします。また今回の事件での対応やネットでの反応は、多くの示唆に富んでいるいると思います。

私が今回の事件でマクドナルドの対応に注目することになったのは、あるツイートがキッカケでした。




◎事件に触れないメルマガと、ダウンロードできるナゲットクーポン


画像:ツイートのスクリーンショット


22日のツイートです。これって本当なのかと思いましたが、何も登録していませんので、メルマガもクーポンも見ることができません。
もしメルマガでまったく事件に触れずに、プロモーションだけしているなら、まさにここに書いたようなことになるので、割愛します。
ソーシャルメディアで予約投稿を使うぐらいなら、やらない方がいい


上のツイートが本当なら、当然22日の時点ではソーシャルメディアでもなにも対応していないのかなと思って調べてみました。
ツイッターでは宣伝的なツイートしかなく、Facebookでも同様でした。22日のFacebookでは、こんなふたつの投稿がありました。

画像:マクドナルドのフェイスブックでの投稿


左のマックフライポテトは、これを書いている時点で[いいね!- 5,523人 シェア146件]。右の夏のマックFes!は[いいね!- 3,081人 シェア30件]という、すさまじい反応。
しかし22日でこれだけポジティブな反応があるということは、ある仮説が浮かんできます。
Facebookユーザーでマクドナルドファンは、テレビも新聞もネットもあまり見ない人たち? 情報弱者が多いのだろうかと思ってしまいます。もしそうなら、今週末、土日あたりにはほとんどの人が知るでしょうから、反応が変わるかもしれません。
Twitterでは、かなりの騒ぎになっていました。22日の時点では、ブログに書こうとは思ってもいませんでしたので、数字等、何も残していませんが。


ただ22日の投稿に、こんなコメントが書かれています。

画像:フェイスブックでのコメントスクリーンショット


今日、24日に取ったスクリーンショットですが、23日から削除されたということが書かれています。少なくとも22日の時点では、事件に関するコメントは削除されていたのだろうと推察できます。




◎期限切れ鶏肉事件、報道の時系列


日本においては、いつからこの事件の報道が始まったのでしょうか。Google検索で、ニュースを日付順にすると最初は21日です。ブルームバークやウォールストリートジャーナルなど主にアメリカ国内での経済面の影響を懸念して、いち早く報道したということでしょうか。
読売新聞やNHKでも報道しています。

画像:期限切れ鶏肉ニュースをGoogleで検索した結果スクリーンショット

22日には民放各社でも放送され、Youtubeでは人気の動画として紹介されていました。



これによると21日の時点でナゲットの販売を中止したということですから、不都合なコメントを削除していたのは不思議な対応ですね。


◎TwitterでもFacebookでも、通常投稿は続く


Twitterでは22日のFacebookと同じ「マックフライポテト」のツイートが、まるで広告ツイートのように行なわれています。
Facebookには「夏の自由研究! 親子で“おいしい”特別合宿」という投稿がありました。おいしさの秘密を探るために、工場見学などをするということなのですが。

画像:22日マクドナルドがフェイスブックで投稿していた内容

さすがにこれは、反感を買って当たり前ですね。ハンバーガースクールを開校するというプロモーションが中止できないのか、Facebookで予約投稿を使っていて、投稿をキャンセルしなかったミスなのか。
いずれにせよマクドナルドのソーシャルメディアの運用は、一方的な発信だけで、双方向のコミュニケーションはありません。運用ツールでも使われているのか、計画的にプログラムされ、自動で運用されているのか放ったらかしなのです。まるで、マス広告の出稿のようですね。

そういう中で、不都合なコメントの削除だけはされているので、反感は余計に高まっておかしくありません。
ところが[いいね!- 1,169人 シェア1件]というファンの反応。まったく事件を知らないようなコメントが数多くあります。
いったいFacebookのマクドナルドファンはどういう人たちなのか、想像を超えています。


Yahoo!のリアルタイム検索で調べると、こんなことになっていました。23日にはナゲットなどのワードが[トレンド]になっていました。
Yahoo!リアルタイム検索は、TwitterとFacebookからの検索結果です。マクドナルド全体だと22日の夕方がピークですので、たぶんテレビ報道ですね。

画像:Yahoo!リアルタイム検索での「マクドナルド」

22日の18時から23日の18時までだと、ネガティブなツイート/投稿が28%、ポジティブなものが19%ということですから、世の中の反応はそれほど悪いわけではないのでしょうか。

確認しようと、ポジティブな[つぶやきを見る]をクリックしてみました。するとほとんどの人が騒動を知らないように思えました。
また「マクドナルド、もうナゲット販売再開してるのね……マクドでいちばんおいしいと思える商品だったので今回の事件はショックだった。……まあ、安全なものを食べるなら、ジャンクフードは食べるなということですね。生産地がわかるところならいいけれど。」というツイートまでポジティブに入っていました。
ワードの組み合わせで判定するアルゴリズムだと、今のところ、こんなものでしょう。



◎ファミリーマートは、22日の投稿以降はストップ


Facebookへ22日に投稿されています。それは通常の広告的内容。

画像:フェイスブックでファミリーマートが22日に投稿した内容

こちらも[いいね!- 2,357人 シェア158件]という、すさまじい反応。コンビニコーヒーで、50円引きは大胆です。コメントも、好意的なもので占められています。ところがには23日の午後から、厳しい内容が書かれ始めます。

画像:Facebookでファミリーマートのページに書き込まれたコメント

社長の記者会見後にヒートアップしている感じでしょうか。
Facebook上では23日から沈黙されていますが、こんなコメントがありました。

画像:Facebookでファミリーマートのページに書き込まれた象徴的なコメント


少なくとも発覚後に広告的な発信はNGですし、早く謝罪を投稿するのがセオリーだと私は思うのですが、リスク管理としてはセオリーではないのでしょうか。
もしかすると両社とも、それほどの問題ではないと考えられているのかもしれません。確かに、今のところのFacebookへのネガティブなコメントは、それほど多くはないかもしれませんが、食の安全安心はかなり根の深い問題だと私は思います。


そしてなにより、ファンや利用者に対しての対応。現実的にはどんな検査をしようとも、安全性が担保されるわけではなく、仕入れ先を信用するしかないことだとは思いますが、企業姿勢を見せた方がいいと思います。
これまでのコミュニケーションだと、仕入れ先に問題がありました。仕入れ先を替えたから大丈夫です。ということしか、伝わってきませんね。



◎マクドナルドは23日の夜、おわびを投稿


たぶんウェブサイトのトップページと同時に、同じ文面がFacebook、Twitterでも投稿されています。

画像:騒動後のマクドナルドのトップページ

Facebookでは[いいね!- 3,034人 シェア332件]という、またまた凄い反応。コメントは、332件。コメントは100%近く「二度と買いません」的なものなので、いいね!した人も、シェアした人もネガティブな意味合いだと理解していいはず。




21日のナゲットの販売中止から、丸二日たってのおわび。
すでに22日には、仕入れ先を替えての切れ目ないナゲットの販売継続。
その間には、ソーシャルメディアでの広告的発信やメルマガの配信など、通常とほぼ変わらないプロモーション活動。
24日もテレビCMは流していました。
一方的な発信だけの販促活動をしながら、利用者には自社からの説明はなにもせず、しかもFacebookでは不都合なコメントを削除していた疑い。

すべてが、チグハグですね。
ネットでもソーシャルメディア上でも、もっともユーザーを苛立たせるふるまいかもしれません。

もしかすると何年後かに、ソーシャルメディア運用の教科書が出版されたとしたら、もっともダメなケーススタディとして掲載されそうです。




画像:ソーシャル代行しますバナー

2014年7月18日金曜日

黒は、特別な色じゃなくなったのかも



ある企業のいろいろなツールを作らせていただいていて、その中にチラシがありました。うちから提案させていただいたものは、情報量が多いので、背景は白にしていました。
ところがトップから、デザインは気に入ったのだけれども背景を黒ベースにして欲しいと、担当者の方を通じて修正が入りました。それだけ言えば、私に伝わるはずだとおっしゃったそうです。

私は「出たな」と思いました。というのも、こちらのトップの方は黒がとてもお好きです。長年おつきあいさせていただいているので、一言聞けば十分。高級感を強調したいということです。

だけどこの情報量の多いチラシで、背景を黒にしてしまうと可読性が悪い。全体のパッと見の印象は良くても、読まれない。読みたくないデザインになってしまう懸念があります。


それ以前に、そもそも黒が高級感なのでしょうか。私は必ずしももう、そんなことないんだけどなぁと感じています。



商業施設で、黒い外観が増えているのはなぜ?


昨年、会社でこんな動画を作りました。

どうということのない内容ですが、渋谷では黒地に白のロゴの建物が増えています。昨年は、109の斜め前に[アンダーアーマー]の直営店が、黒く立体的なファサードでオープンしました。向かいの[アディダスパフォーマンスセンター]も、黒に白いロゴです。
競合するのに、同じ配色です。ただ[アンダーアーマー]はゴツゴツしていますので、いかにも強そう。ブランドイメージにピッタリです。

画像:アンダーアーマーのファサード


また、5年ほど前に出来たファストファッションのZARA渋谷2号店も、黒ベースにシルバーのロゴ。同時期にオープンしたH&Mは黒ベースに、赤いロゴ。改装したマクドナルドも黒ベースに白いロゴ。

むしろ高級店よりもファスト店が、黒を拡大させているように思います。


黒はフォーマルな存在から、ありふれたベースカラーに移行しているのかも


そもそも黒って、どんな色なのでしょうか。
先日あるテレビ番組で、とんねるずの石橋タカさんが、家グルマは国産の高級車で黒にしている。あるとき、偉い人のお葬式に行ったら、黒塗りの国産高級車ばかり。黄色や赤の車じゃさすがにまずいと思った。それがキッカケで変わったと、語っていました。
私はかなり驚きました。政財界の大物ならそんな感覚かもしれませんが、普段どんな派手な色や形の車に乗っていても、冠婚葬祭にはタクシーで行けばいいんじゃないのという気がします。

ただ、冠婚葬祭には黒塗りというイメージは根強そうですね。冠婚葬祭は特別なんだから、黒も本来は特別な色。すべての光を吸収する生と死をイメージさせる色。ではあるでしょう。


少しだけ言及しておくと、以前に書いたこちらの記事
この中で、日本の闇は優しいと書いています。光が優しいのだから、黒だって漆黒だけじゃない。西洋の宗教が生まれた砂漠のように、闇か光かみたいにハッキリ分離されていないのです。日本では黒のバリエーションがとても豊富です。黒のグラデーションがさまざまな色に重なり、くすんだ色彩を生み出しているのも特徴かもしれません。
どう考えても、黒がハレを意味する色ではいないように思えます。

画像:DICの色チップ/日本の伝統色

黒は白やグレーとともに無彩色と呼ばれ、彩度のない色です。かつては無彩色に多少色が入ったものが街並みを構成していたように思えます。
人形町など古い街の、ここ10年ほどの変化。くすんでいるトーンから、どんどん強い色の増えている様子が見て取れます。

どこの街でもグレーや薄いベージュなどくすんだ色が建物のベースカラーであった時代から、お店のファサードとしては黒のような強く目立つものへと移行しているだけなのかもしれません。




ブルーって、ダイエットカラーじゃなかったの? で
色彩心理学みたいなことは絶対的じゃなく、国によって地域によって、つまりは接触している環境や文化によって異なると考えるのが妥当でしょう

と書きましたが、色が意味するものは、どれだけ接触しているかによっても変わります。たとえば紫は古代の日本では高い地位を表す色で、高貴の象徴だった。でも現代では、特に男性にはネガティブなイメージが強い。その理由は、なにより見ること接触することがないから。
だと言われています。

そういう意味では、黒はありふれた日常的な色になりつつあると考えていいかもしれません。



ZARAの3店舗で、顕著に見ることができます


渋谷のZARAは、渋谷店と公園通り店の2店舗。ほぼ井の頭通りという直線上の、ごく近い距離にあります。

公園通り店は、黒が基調です。
画像:ZARA渋谷公園通り店のファサード

渋谷店は、白が基調です。
画像:ZARA渋谷店のファサード

どちらもロゴそのものはシルバーで、無彩色で統一していると言えるでしょう。
先に書いたH&Mは、黒ベースで無彩色かというとそんなことはありません。ロゴこそ赤ですが、ほぼ全面ガラス張りで、イメージ写真に値段だけ入った大きなビルボードが何枚も掲げられています。写真の印象が強く店内が様子も見えるので、無彩色の印象はありません。


そしてZARAには、もうひとつお店があります。正確にはZARAではなく、同じ会社が運営するZARAの妹的なブランドということですが。
Bershka(ベルシュカ)です。こちらは蛍光っぽい黄緑色がベース。

画像:Bershkaのファサード

黒と白のZARA、黄緑のBershkaがすぐそばに存在しています。

無彩色のZARAが高級で、Bershkaがそれより安いというポジション? ZARAグループの中ではそういう位置づけなんでしょうね。
ZARA自体、ファストファッションの中では高いと思いますが、アパレル全体では高級に位置するなんていうことはありません。西武百貨店に入っているシャネルやプラダなどのハイブランドも、黒に白やシルバーのロゴですから。


かつて黒いスーツは値段が分からない。紺なら価格がすぐに分かってしまう。というようなことが、よく言われていました。
それは素材や縫製の差が、外から見ただけでは、なかなか分からないという意味です。



カフェチェーンの配色に見るベースカラーとアクセントカラー


スターバックスコーヒーは、黒や濃い茶色に白いロゴ。ロゴマークとしては、緑がベースです。
画像:スターバックスのファサード

ロゴマークは、ほとんどアクセントカラーとしてしか使われていません。一見大人しく見えますが、それが高級感を作っていますし、色を抑えている分だけ新メニューの看板が際立ちます。



タリーズは黒ベースに、南米をイメージさせるカラーリング。

画像:タリーズコーヒーのファサード

ロゴ自体がオレンジとオレンジがかったイエロー。ロゴマークには緑も入っています。ことコーヒーということなら、スタバより本格的に感じさせる配色だと思います。


では、ドトールはどうでしょうか。

画像:ドトールのファサード

黒に白いロゴ。黄色いラインも入っています。とても強い配色ですし、リーズナブルな感じも伝わってきます。庶民的な印象ですね。


3チェーンを見ただけですが、いずれもベースは黒、ないしは黒に近い色です。ところがアクセントカラーによって、他店との差異化、出したいイメージを作っているのだと思います。
スタバは高級にプラスして、エコイメージを訴求したいから緑を使っているのでしょう。タリーズは、高級でなおかつコーヒーの本格的イメージを出したいのだと思います。ドトールは、庶民的な雰囲気を出したいから黄色なのでしょう。もっとも黄は、中国では高貴な色なんですが。日本では軽いですよね。

ちなみに黒ベースにマークが黄色なのは、マクドナルド。この組み合わせは夜になって点灯すると、とても目立ちます。


もうひとつ、こちらを見てください。

画像:ドンキホーテのファサード
驚安の殿堂だって、黒がベースです(笑) そこに赤や黄が大きく入っている。

つまり黒自体が高級なのではなく、配色。特にアクセントカラーの使い方によって、印象は大きく変わってくる。ということではないでしょうか。




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2014年7月15日火曜日

ブルーって、ダイエットカラーじゃなかったの?



今朝マクドナルドの前を通ったら、「スパニッシュオムレツマフィン」という商品のバナーが出ていました。

背景はサムライブルーで、そこに商品が直接置かれている感じです。この記事を書くためにあとから写真を撮りにいったら、10時半までのモーニングメニューでした。
ワールドカップのメニューのようなので、このシリーズですね。

画像:マクドナルドの店頭



この記事を書いたときも『ブルーって、ダイエットカラーなのに食品に使って大丈夫なんだろうか』と思いました。
もちろん商品は切り抜きで、背景と合成しているのでしょうから、一緒に撮影したときのような「青が被る」ということはありません。

そんなことを思いながら歩いていると、エクセシオールカフェでもブルーを大々的に使っているメニューがありました。

画像:エクセシオールカフェのバナー



これは海っぽいイメージで、しかもサンドの背景にはブルーがないので影響は少ないと思うのですが、もしかしたらワールドカップだけじゃなくて、食品にブルーを合わせるのって流行なのかもね。夏とか朝ということなら、冷たくない商品でもそれほど抵抗なくなってきたのかな、という風に想像しました。


色が喚起するエモーション


色彩心理学みたいなことは絶対的じゃなく、国によって地域によって、つまりは接触している環境や文化によって異なると考えるのが妥当でしょう。検証しようとすれば、統計を取るしかありません。実際、このジャンルのデータはなかなかありません。

また様々な考察も、どうなんでしょうと思ってしまいます。
こちら(Psychology Of Color In Logo Design)に掲載されているColor Emotion Guideにしても単純にロゴだけの色なら妥当だと思えますが、現実的には背景にどんな色を使うか、組み合わせで印象はまったく変わってしまいます。

画像:Color Emotion Guide



The Logo Company

あ、それからYahoo!の紫ロゴは、日本では使われていませんね。余談ですけど。
Yahoo! JAPANロゴのクリーンアップ

細かく見ていくとここに取り上げられているロゴだけでも、ちょっと単純過ぎるEmotion Guideなんじゃないのと、私なんかは思ってしまいます。



ブルーは、ダイエットに役立つの?


青のことに戻りましょう。

青は、空や海の色。
だから爽やかとか冷静というイメージを、多くの人が持つのかもしれません。冷静だから信用できるみたいなことに、つながるのでしょうか。
また青は、静脈の血のイメージ。そして有害な食べものや毒。
自然界で食べられるものには、青は極めて少ないと言われます。腐っているようなイメージがあるのかもです。

だから、こんな商品があります。「基本的な使い方としては、食べ終わりたいときに掛けます。それ以上食べたいという気持ちが弱くなります」ということだそうです。
青色ダイエットめがね

『ダイエットカメラ』というアプリも登場しています。

画像:ダイエットカメラのスクリーンショット

レビューによると不具合が多いようですが。いや、それ以前にわざわざ写真に撮るのが、私にはかなり不可解です。

とにかく青い色が被ると、マズそうだ。なにか気持ち悪いものに見え、食欲を減退させるということですね。当たり前ですけれども(笑)


実際に、撮ってみました


モスバーガーに行って、てりやきを買ってきました。
会社にあるものでちゃちゃっと雰囲気を作って、iPhoneで自然光だけで撮ってみました。てりやきは和風なので、なにかちぐはぐですが。
画像:照り焼きをナチュラルに撮ってみた
てりやきソースも染み込んでいますし、シズル感に欠けます。ただ自然な雰囲気で、私にはおいしそうに感じます。


今度はサムライブルーぽい布を敷いて、撮ってみました。
画像:照り焼きをブルーランチョンで撮ってみた
やはりブルーが反射し、特にパンの色が気持ち悪い感じになってしまいました。ただ全体の印象として、ブルーはかなり新鮮。ピシッと締まった感じになったと思います。いままでは、冷たい食品以外ではほとんど使われていないので、新鮮なのかもしれません。 マクドナルドのワールドカップメニューのように、商品を切り抜いて合成すれば、問題なさそうです。
ただエモーション・情動という感じではないですね。視覚的な強さ、インパクトであって、食べたい!となるシズル感は希薄です。

マクドナルドのワールドカップメニューの売れ行きが、どうだったか。気になるところです。



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2014年7月7日月曜日

ソーシャルメディアで予約投稿を使うぐらいなら、やらない方がいい



先週、『メルマガが終了したとか、してないとか、そんな話はどうでもいいのに』を書きましたが、ほかにも毎回メルマガの草案をチェックしてくれとおっしゃる企業の担当者がいらっしゃいます。
こちらはECサイトではないのでメルマガからの導線をどうするかとか、そんなことではなくて、送る前に文章そのものに対する意見を聞かせてくれというのです。仕事ではないのですが読んでみると、お天気のことがかなりの頻度で出てきます。


今なら、「梅雨になって〜」とか「はっきりしないお天気ですね」とか「蒸し暑いので、熱中症にお気をつけください」みたいなことが入ってきます。
私は今の季節は特に、「あいさつがわりのお天気話は、やめた方がいいです」と言います。メルマガですから、予約投稿です。
たとえば明日の朝送る設定だとして、冒頭に「はっきりしないお天気ですね」と書いて送ったとします。ぐずついたお天気ならともかく、ゲリラ豪雨ならどうでしょう。床上浸水しているような時に、「はっきりしないお天気ですね」というメールが来たら、どう感じるでしょう。

あえてお天気に触れるメリットがあるならともかく、です。


メールだから大変なときには開封率が低くなるので、そんなに影響はないとおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。でも意味のないリスクを冒す必要はないですよね。
毎日のように、日本列島のどこかで自然災害が起こっているような時期ですし。



SNSでも予約投稿が便利だという声が



Facebookページにも、予約投稿の機能があります。かつては「いいね!してくれたファンの人たちに向けて発信されます」「多くのファンがアクティブな時間帯を狙いましょう」という人が多かったですが、いまや投稿してもファンの人たちのページにさえ表示されません。[ページフィード]といういいね!した企業ページなどをまとめたエリアに表示されるだけです。
しかもどこの企業も同じような時間帯に投稿しますので、わざわざ[ページフィード]を見てくれても、埋もれてしまう可能性が大きいのです。だから私は、効果的だと言われる時間帯以外の時間帯こそ、効果的だと考えています。


Twitterでも、予約投稿の機能があります。Facebookと同じようなことが言われますが、Twitterはさらに極端です。アクティブな人が多い時間帯は、投稿も激増しています。予約投稿をした投稿も、あっという間に流れていってしまいます。


Youtubeには、[公開予約]という機能があります。かつては誰でも使えたと思いますが、今はパートナーのみのようです。パートナーとは、動画に広告を掲載したりして収益を得るための登録者です。




多くのブログサービスでは、予約投稿の機能があります。夜中に書いたり、まとめて何本も書く人にはいいかもしれないですね。



リアルタイムではなく一方的な発信でよければ、あり?


企業のソーシャルメディア運用で、リアルタイムじゃなくてもインタラクティブじゃなくてもいい投稿というのは、なかなか考えづらいです。「あけましておめでとう」やセールやキャンペーンのスタート告知、あるいはワールドカップの放送時間に合わせて朝四時に投稿するとか、そういうときならありそうですけが。

予約投稿を推奨している人の多くは、楽だ、便利だというだけの視点ではないでしょうか。
ところが最初に書いているような、予約投稿した時間帯にゲリラ豪雨があって、被害が出ていたらどうでしょう。
あるいは大きな事故が起こっていたら、どうでしょう。

そして何より、投稿内容にクレームが来ていたら、どうでしょう。多くの人は、ソーシャルメディアでは、中の人が今書いていると捉えています。クレーム対応では、まず何らかのレンポンスをすることではないでしょうか。
事実関係がわからない内容でも、「調べて、できるだけ早くご回答いたします」と反応しているのと、慎重に調べて丸一日経ってから答えるのとでは、印象がまったく違うはずです。

ソーシャルメディアの運用で「やらかさないために」、慎重に内容を検討して投稿するためにも予約投稿がいいという声がありますが、逆に大きなリスクだって抱えています。


また拡散していくためには、一度の投稿では不十分です。傾聴しながら、それなりに間隔を開けて、投稿することが不可欠だと私は考えます。もちろん勢いを持って拡散している途中に、次の投稿をする必要はありませんし。
予約投稿であらかじめ予想して、組み立てておくなんて不可能です。



個人なら、予約投稿ツールを使っていい?


予約投稿で有名な、BufferというFacebook、TwitterからLinkedinまでの投稿をスケジュールングできるツールがあります。
iPhone用のアプリには、こんな風に書いてあります。

シェアしたいリンク、テキスト、写真、動画などは、全てBufferへ追加しましょう。あなたの更新は、自動的にスケジュールが組まれ、日を空けて好きなソーシャルネットワークに投稿されます。もちろん、全ての更新は、アプリ内の「今すぐ投稿」ボタンから可能。 
例えば、あなたが5つの素晴らしい記事と2枚のおもしろ画像を見つけて、それをシェアしたくなったとします。でも、それを全て連続投稿すると、あなたの友人やフォロワーはうんざり。代わりに、それをあなたのBufferへ追加してみましょう。すると、数日掛けてソーシャルメディアに上手く投稿することができます。



とにかく、おもしろいと思ったものをチェックしていけばいい。ウザがられないように分散投稿もしてくれると。これは便利だ。
ただ、まるでBotのようですし、いずれにせよ、とんでもない投稿数になりそうです。


一年前の記事ですが、こんなのがありました。好調みたいです。
ソーシャルネットワークにスケジュール投稿を行うBuffer、
月刊売り上げが10万ドルとなり、利用者数60万を達成


その中に、こんな記述があります。

ところで最近、ボストン・マラソンの事件の際に、TwitterやFacebookにブランド発の宣伝系メッセージが流れて、悪い意味で注目を集めてしまうというようなことがあった。そうした発言は予め定められたスケジュールに則って投稿されたものだった。もちろん大事件のおりに投稿されるスケジュール投稿は的外れで無神経なものとなってしまうことが多い。Buffer側もそうした状況に対して何らかの対策を練るべきだと考えているようだ。
ですよね。ボストンマラソンの事件とは、多数の死傷者が出た爆弾テロのこと。

「全予定実行停止スイッチのようなものを実装すべきかもしれないと考えているのです」とWidrich(共同ファウンダー)は述べている。


停止スイッチは人間が押すわけですから、予約投稿にしてバカンスに出かけて、あとはおまかせね、とはいかないですよね。




画像:ソーシャル代行しますバナー

2014年7月4日金曜日

メルマガが終了したとか、してないとか、そんな話はどうでもいいのに




画像:メールのイラスト




先日、あるクライアントのところで、メルマガの話が出ました。メルマガ自体は、うちの仕事とは直接関係ないし、個人的にもそれほど興味がないのです。
昨年あたりから、メルマガからのコンバージョン、購入につながる率が低下しているそうで「メルマガはもう効果ないんでしょうか。htmlメールにすれば改善すると思いますか」みたいな内容だったので、またこういう話かと思ってしまって、ため息が出そうになりました。

こういうメディアが、こういうツールが、こういうプラットフォームが効果的。あるいは効果がないなんて話は、ほとんどがいい加減なものです。
メルマガが終了したなんて風潮は、ソーシャルメディアの隆盛やLINEなどの通信アプリによって、メールによるアプローチの役割が低下するはず。開封率が低下した、という予想や傾向ではないでしょうか。



閉じこもりがちだからこそ、日常的な入口を増やす必要性


それを言い出したらマスメディアは、全般的に低下している。新聞は部数が激減し、いつ潰れてもおかしくないビッグネームが複数社あるし、雑誌はどんどん廃刊になってるし。


だからといってFacebookでダイレクトに売りにつながって、大成功なんていう事例は検索したって、なかなか出てきません。リーチが増大した。ファンとコミュニケーションが取れた。ウェブサイトに誘導して登録者数が増えた。ファンを巻き込んだ商品開発ができたというような事例ばかりです。
単純に考えると、ネットメディアはどれも狭い世界に閉じこもり気味。だからオウンドメディアも含めて、回遊してもらいながらファンになってもらうことが大切ではないでしょうか。
接点を多くして、日常的な入口を多く用意していないと、どうにもならないと考えています。もちろん爆発的にバズることも重要ですけれども。
『インフルエンサーって、誰?』- ツイッターで、トレンドに乗るとはこういうこと (2)




あなた向けのメルマガじゃなきゃ、積極的には読まれない


メルマガだって、日常的な入口のひとつです。話題が出た企業では、メルマガの登録者は実際にECサイトで買いものをしてくれた人ばかりという仕組みです。
であれば、購入金額や買いものの傾向から、いくつかのグルーピングをして、メルマガの内容を書き分けるということが必要でしょう。そこからリンクする先は、ECサイトの個別のページを用意するのが当然ではないでしょうかというお話をさせていただきました。
うちがかなりの部分、ウェブ制作をやらせていただいているので、作り分けしていないのは知っています。
たとえばもっとも購入金額の高いグループは特別扱いするのが当然ですし、購入の傾向とまったくそぐわないキャンペーンをメインでプッシュしても、嫌がられるだけかもしれません。
まず、タイトルで開封されないかもしれません。
もちろん高価な商品を扱っているなら、特別扱いするグループにはメルマガではなく、DMを作って送った方がいいでしょう。


ところがこの企業は、大手通販モールにも出ていて、そこのコンサルで、多くの情報を頻繁に出すという手法を取っています。それでもグルーピングで作り分けしていれば、効果的かもしれないのですが、面倒くさいようです。
確かに別々の内容を考えること自体が、面倒くさいです(笑) だけどウェブの特徴のひとつは、対象によって見せるものを変えられること。



顧客とのつながりを深める自社サイトと、モールではアプローチが違う


その大手通販モールも、アマゾンもですが、とにかく頻度に送りつけています。アマゾンは検索履歴、購入履歴からのリコメンドが飛躍的に良くなってきたと思いますが、それでも的外れな内容が圧倒的に多いです。
大手通販モールは、いわば焼き畑式。とにかく、他社の情報に接する機会を最少化させるように頻繁に送りつけて、買ってくれた人の購入頻度を最大化しようとしているのでしょう。程度の問題ですけど、ここは購入ポイントでレギュラーからダイヤモンドまで、会員を5つのランクに分けているそうですが、上位のランクの人たちまで嫌がるぐらいの頻度という噂です(笑)

もちろんG-mailなどではスパム判定が厳しくなっていますし、利用者が一度でも[迷惑メール]フォルダに入れてしまうと、その後はすべて[迷惑メール]になるようです。



自社サイトで販売するのは、顧客とのつながりを深め、ロイヤリティを高めるため。それがないならネット通販は、モールだけでやった方がいいのではないでしょうか。同じメルマガでも、かなり役割が違う気がします。



それにどんなメディアも、広告や販促PRなどのコミュニケーション媒体としてのピークを迎えるまでは、効果が高くて当たり前。参入者が多くなれば、利用者が減少すれば、効果も減少するのが当然でしょう。
今は、そのスピードがどんどん早くなっているけれども、終わってしまうわけじゃない。



『SNSを上回る、電子メールによるマーケティング効果』


昨年の記事で、アメリカの調査ですが、こんなことがWIRED.JPに出ています。


最も顧客の購買につながっていたのはオーガニック検索で、次がCPC方式の広告であったという(どちらもグーグルの得意分野)。
この調査で86の小売サイトを利用した7,200万人の顧客を分析。彼らの誘導元(Eメール、Twitter、グーグルなど)、購入した商品やその価格などを、サイトを訪れてから2年間にわたって追跡したという。
検索から訪れた顧客は、商品の購入数や購入額の点で平均より50%以上価値が高く、Eメールから訪れた顧客も11%高かったという。一方、Facebookからの顧客は平均並みで、Twitterからの顧客の価値は平均を23%下回っていた。

画像:WIRED記事のスクリーンショット


商品やサービスについてオーガニック検索するのは、そもそも買いたい・欲しいと思っている人が多いでしょうから。CPC方式の広告は、すでに飽和状態だという気がします。
Eメールから来た人がその次だというのも、うなづける気がします。登録しているという段階で、けっこうなハードルを越えているわけですし。そのあとは、嫌がられないか、期待してもらえるかということです。


それでも新しいサービスが続々誕生で、メルマガは消えてしまうのか?


7月1日から、ぐるなびの[SMART CHECK IN]というサービスが始まったそうです。

画像:SMART CHECK INのスクリーンショット

アプリをダンロードして使うもので、「チェックインした人だけが受け取れるお店の情報が盛りだくさん。さらに、クーポンがもらえたり、スタンプが貯まったり、おトクなチェックインイベントも続々登場!」と書かれています。


プッシュ型のクーポンサービスはありましたが、これはチェックインクーポン。さらにチェックインした人だけが受け取れるお店の情報があるということですが、やはりネックはチェックインした入店後というところ。クーポンと連動していないと、あまり意味はないでしょう。またお店の情報をお店側が書くのは、かなり大変です。

どれぐらい利用されるかは未知数ですが、上に書いたように「コミュニケーション媒体としてのピークを迎えるまでは、効果が高くて当たり前」だと思います。利用者にとっては、珍しく、お得である間は利用されるでしょうけれども、一度使ったらアプリを削除してしまうかもしれません。
効果があれば似たようなサービスが、いくらでも出てくるでしょう。


やはりメールのようなインフラとは、かなり異なるのではないでしょうか。





 株式会社イグジィット ウェブサイト