2013年12月23日月曜日

Happy Holidaysが、海外では一般的なんですか?

アメリカでは「Merry Christmas」じゃなくて、「Happy Holidays」と言う人が増えている。ディスプレイでも「Merry Christmas」がどんどん減っている。
そんな傾向だと何かで読んだのが、2、3年前。理由は宗教上の配慮なんだそうです。

去年、何人ものアメリカ人がいるミーティングに出ていて、何をしゃべってるのか、ぜんぜん聴き取れないや。いえ、聴き取れたところで、ほとんど理解できませんが(笑) 
とにかくそんな感じで参加していたミーティングが終わると、アメリカ人たちが口々に「Merry Christmas」と言ってあいさつしてたんです。あら、Happy Holidaysじゃないじゃんと驚いて。これくらいなら、さすがに聴き取れます(笑) 


アメリカの現状はなんともわからないですが、今年は渋谷でも「Happy Holiday」の表記を見かけるようになりました。
※1日だけじゃないので“s”がつくと聞きますが、両方あります。



ディズニー・ストアは、アメリカ発だからHappy Holiday?


画像:ディズニーストア渋谷
入口の両サイドにクリスマスツリーっぽいものがありますけど、入口の上も旗もHappy Holidayです。
観光客が多いショップだから、宗教に配慮しているんでしょうか。ディズニーは、一番敏感そうですね。



スイスのスウォッチストアも、Happy Holidaysでした


画像:スウォッチストア渋谷のデジタルサイネージ
巨大なデジタルサイネージが美しい、スウォッチストア渋谷。デジタルサイネージにはトナカイも登場しますが、Happy Holidaysです。スウォッチはスイス企業ですよね。



日本のSHIPSは、HAPPY NAVY HOLIDAYS


画像:shipsのディスプレイ
HAPPY NAVY HOLIDAYSとは、「ネイビーカラーのコーディネートで休暇を楽しみましょう」みたいな意味なんでしょうか。
あえてこの季節に黒ではなく、ネイビーカラーを持って来たところに、セレクトショップのこだわりを感じさせます。ただディスプレイでも、クリスマス感を抑えているところは意外です。
想像すると、年明けにはお正月の飾りを少し付け加えて、このまま行きそうですね。そのための、「HOLIDAYS」かもしれないです。




ファストファッションは、クリスマス感すら出していない


ZARAもH&Mもフォーエバー21も外から見ているかぎりでは、特にクリスマスだったりホリデーということを意識させていません。どこもグローバル企業だから、クリスマスという表記をしないのだとしても、キラキラ感すらありません。
ZARAはフォーマルっぽいパーティっぽいスタイルを、ショーウィンドウに出してはいますが。ファストファッションは、クリスマス需要を集客のトリガーとして考えていないのか、それともコスト的に商品以外での装飾をしないポリシーなんでしょうか。どうも、後者のような気がします。
※追記:24日の朝ZARAの前を通ったら、Merry Christmasと小さく書かれたディスプレイになっていました。苦肉の策かもしれません。



クリスマス需要が多いはずのCOACHは、クリスマスの表記なし


画像:COACH渋谷の外観
コーチの入り口は、巨大なキラキラのウォールがあってクリスマス感満点です。でもクリスマスという文字での表記はありません。とても意外な感じがするんですけど、たぶんクリスマス需要だけではなく、大晦日までこのイメージだけで行きそうです。その方がムダがないし、ブランドとしてCOOLだということでしょうか。




パルコでは、11月中旬からクリスマス。12月中旬からクリスマスセール


画像:渋谷パルコ店頭のクリスマスオブジェ
“清川あさみプロデュースによる「DECO♡MAX」な巨大プレゼントボックス”が設置され、11月14日に点灯式がありました。かなり速いタイミングですし、だんぜん派手です。渋谷パルコとしても、これまでにない規模のクリスマス演出で盛り上げています。そして今月13日からは、クリスマスセール。




109、109MEN'Sは、例年並のクリスマス演出


画像:109MEN'Sのクリスマスウォール
109MEN'Sは巨大なクリスマスウォールですが、下にはスポンサーなのかハッピーターンとスワローズの立看が。109は例年並みのクリスマスディスプレイです。




こういう風に見ていくと、クリスマスディスプレイ、クリスマス表記をしていないところが徐々に増えているようです。「HOLIDAY」を使うのも、宗教上の配慮もあればクリスマス後にも使える経済性もあるようですし。
メインターゲットが若年層である商業施設では、クリスマス演出がマスト。消費に対する熱さの違いにあわせていると言えそうです。
ただ脱クリスマスということではありませんが、ピンポイントでクリスマスに合わせていた動きが、多少変わってきているようですよ。



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2013年12月19日木曜日

Facebook「いいね!の出所」で、なにかと残念なお知らせ

分析のアナリストでもないかぎり、TwitterでもGoogle + でも同じですが、詳細にデータを見なくても、大づかみで傾向さえ把握しておけばいい。一番大切なのは、届く投稿を作ったり、運用ができたりすることだと思っています。



もちろん管理しているFacebook ページのインサイトは、ちゃんと見てますし。「いいね!」が増えたり増えなかったり、リーチが増えたり減ったりは、なぜこうなったのか。その原因を探っています。


インサイトをチェックすると、不思議な[いいね!の出所]


あるクライアントが、大手ウェブ企業から持ち込まれたアプリを使い、「いいね!」を条件にしたキャンペーンを実施しました。
「いいね!」はすでに5桁あり、わざわざそんなことして増やしてもなぁと思いながらも、告知をしました。

さすがにお手軽だから効果があるのか、「いいね!」は急増しました。キャンペーンの成果を測るために、インサイトをチェック。まず[純いいね!の推移]を調べました。純いいね!とは、いいね!された数から、取り消された数を引いたものです。
そしてその折れ線グラフにカーソルを合わせると、[いいね!の出所]がレイヤーで表示されます。あれ? [おすすめページ]って何? いままで[おすすめページ]が気になるほどの数字が出たことなんてありません。












純いいね!が1540あったうち、1100が[おすすめページ]で行なわれています。全体の72.13%です。
このFacebookページでは通常、ひとつの投稿に対して純いいね!は良いときで300人強、平均で100数十人ぐらいですから、5倍程度はあります。そう、この日はアプリを使い「いいね!」を条件にしたキャンペーンの告知を行ないました。
しかし、そもそも[おすすめページ]とは、どこのことなんでしょうか。ややこしいので、あとでまとめて考えます。

キャンペーンを告知した投稿はこういうものでした。


この投稿自体とそのシェアに[いいね!]してくれたのは、158ですので、キャンペーンページで[いいね!]して、アプリのダウンロードに進んだのは1300人以上だと考えられます。投稿に[いいね!]してキャンペーンに参加しない人もいるでしょうし、その逆も考えられますが、そこは不明です。
またこの投稿自体は、3289人に[リーチ]しています。

ところが、ところがです。キャンペーンページでの[いいね!]は、3287人と表示されています。もちろんFacebookで投稿した日以外にもキャンペーンはやっていますので、たとえばFacebookページの上部にある[キャンペーン]から入ってきた人もいるでしょうし、外部(TwitterやGoogle + 、メルマガ等でも告知しています)からの流入もあります。

ということは、Facebook以外から、キャンペーンページに直接訪れたのは3287−1540だから、最大で1700人程度いたということでしょうか。



あれ、すると[いいね!の出所]に出ている1540とは、どういうことでしょうか。
はぁ、ややこしい(笑) 
まとめてみます。

それぞれの場所に表記されている「いいね!」数です。



インサイトの[おすすめページ]とはFacebookの翻訳ミス、それともバグ?


データをダウンロードしてみると、[おすすめページ]は、英語でのExternal connectの値を引っぱってきているようです。[おすすめページ]は、Recommended pagesであるはずなのに。
私の思い違いかと思って検索してみると、たぶん唯一、こちらのサイトで似たことを指摘されていました。

こちらのサイトによると、External connect
People who liked your page from an external site using a Facebook social pluginとなっています。つまり外部に設置されたソーシャルプラグインで、「いいね!」された数だということでしょうか。
なんかこんなことがあると、Facebookのインサイトも信用できなくなってきますし、わざわざ手間かけて調べてるのもバカバカしくなってきます。

とにかくキャンペーンの全参加者は、3,287人(もしかしたら「いいね!」だけして参加しなかった人もいるかもしれませんが)。
キャンペーン開始日に外部のソーシャルプラグインで「いいね!」してくれたのが1,100人。これがどこで押されたかというと、きっとそのほとんどが大手ウェブ企業のポータルサイトでキャンペーンを告知しているページ…

スパム行為ではないですが、これって何かがもらえるキャンペーンハンター的な人たちが、片っ端から参加している気がします。
かつて懸賞まとめサイトにプレゼント情報を出すと参加者が殺到するけれども、懸賞マニアがほとんどで、企業認知にも好感度の向上にも役立たなかったという話があります。ほとんど同じですね。


ただ「いいね!」してくれた人はファンじゃないし、投稿を見てもいないかも


Facebookにアクセスすると、普通は自分のタイムラインが表示されます。その次に多くの人が見るのが、ニュースフィールドではないでしょうか。
ニュースフィールドには友だちの投稿が出ていますが、最新のものが表示されているとは限らない。いいね!を多く獲得していたり、シェアされているものが上に表示されます。
この表示される順位を、エッジランクと言います。エッジランクのアルゴリズムは、親密度・重み・時間経過・ネガティブフィードバックの4つの要素の掛け合わせで決まるということです。
重みとは、どれだけいいね!やシェア、コメントを獲得しているかだということですが、私の感覚だと、友だちが友だちの投稿にいいね!やコメントしているものが、最上位に来ているという気がしています。友だちではない人のアクションより、友だちの行動を重く評価する。


そしてFacebookページを見る時は「ページフィールド」。ページフィールドでも、エッジランクがありますし、そのアルゴリズムは同じだと思います。自分がいままで「いいね!」やコメントしたページの投稿は上がってきやすいです。
逆にFacebookページを運営する立場でいえば、一度「いいね!」してくれただけだと、どんどん表示順位が下がって、見てもらえない可能性が高い。どころか、あちこちのFacebookページに「いいね!」している人なら、投稿を「非表示」にしている可能性も高いです。



キャンペーンハンターなら、たぶん非表示にしてるでしょうね。ちなみに上の画像はページフィールドです。この右側に、[おすすめページ]が出ます。友だちが「いいね!」してるページってこと。



本当にこの[おすすめページ]から1000人以上から来てくれて、「いいね!」してくれたのなら意義があるのですが。
やっぱり投稿とコミュニケーションで、ファンになってもらうことが必要ですよね。



画像:ソーシャル代行しますバナー

2013年12月14日土曜日

コンビニ「いれたてコーヒー」急増の行方

今週、渋谷公園通りに新しいビルが建ち、1階にファミリーマートがオープンしてた。外からでも、おでんを目玉にしたPOPが目立ってました。
前を通りがかったとき、入口近くのコーヒーマシーンが見えて、ちょっと意外な感じが。というのもこのあたりのコンビニでは見かけたことがありません。とりあえずカフェチェーンは周囲にいくらでもありますし、坪単価的に採算か取れるのかどうか。なんともわかりませんけど、ファミマでコーヒーを買ったことがなかったので入ってみました。



通常Sサイズが120円。オープンキャンペーンで50円引き!


へ〜、カフェラテまであるんだ。でもコンビニではブラックしか買わないので、Sサイズにしようと値段を見ると120円。これは強気だなぁと思いながら、レジで小銭を出すと「70円です」と言われビックリ。「今、50円引きになってます。Mサイズが今なら100円です」とも教えてもらいましたが、少ししか飲まないので私はSです。

画像:ファミリーマートで販売されているコーヒーのイメージ

飲んでみると、コクはそこそこで苦みもある。これは、いいかも。
今まで飲んだことのあるコンビニコーヒーだと、味はそこそこでも、苦みやコクはなかったり。フタの部分がプラスチック臭がするものあったりします。
今までは、セブンイレブンのコーヒーが一番いいと思っていました。Sサイズは100円ですし、なんといっても淹れたているときの香りがよく、飲むときにも豊かな香りを感じます。スタバやタリーズのコーヒーよりもいいかもしれません。


2013年度のコンビニコーヒーは、7億杯


11月末の日経新聞によると、国内コーヒーの消費量も過去最高を更新する勢いだそうです。この記事は登録が必要だったり、有料会員が読めるものなのでこれ以上、引用しませんが、100円台という価格が支持され、喫茶店の減少やカフェのない街ではカフェ代わりになっているという趣旨のことが書いてあります。

じゃあ、都心ではどうなんでしょうか。オフィス街では昼時に買っている人が、行列を作るほどなんだそうです。お昼休みに買って会社に戻る。公園で飲むとか、そんな需要はけっこうありそうです。
でも渋谷みたいな街では、どうなんでしょうか。周辺の競合になりそうな店を入れたマップを作ってみました。

画像:公園通りを中心にコーヒーの飲める主な店をマップに

新しくできたファミマは、マップのほぼ中央。公園通り沿いのややロゴを大きめに入れたところです。
すぐそばにサンマルクカフェがあり、たぶん200m以内に、テイクアウトできる店だけでもエクセシオール、モスバーガー、フレッシュネスバーガー、スターバックス、ドトールと競合が揃っています。ビルの中には、テイクアウトできませんがカフェがいくらでもあります。
価格を比較してみましょうか。基本はSサイズ、ワンサイズしかないところはその価格。

  • ファミリーマート Sサイズ 120円
  • サンマルクカフェ Sサイズ 190円(ブラック)
  • モスバーガー         220円 
  • フレッシュネス  Sサイズ 300円    
  • スターバックス  ショート  300円(ドリップコーヒー)
  • ドトール     Sサイズ 200円  

価格では、圧倒的にファミリーマートですね。ただ他は店内でも飲めるので、同列には扱えません。それでも私自身は、ここのファミリーマートのコーヒーを利用する機会が多くなりそうだと思っています。


ニーズは、コーヒーを飲みたい気分 × リラックスしたい時間の長さ?


なぜって、利用しているシチュエーションがまったく違うから。お昼を食べて、あるいは出先から戻って来て、コーヒーチェーン店に入ることはけっこうありますが、その利用時間は10分、長くて15分ぐらい。しかも渋谷にあるコーヒーチェーン店やファストフード店は、いつだって混んでいますし、長居する人がほとんどです。だから一ちょっとだけ休憩したいという使い方には、不向きなんです。
打ち合わせなどでスターバックスに誰かと一緒に行って、1時間近くいるならスターバックスラテを飲みます。でも、ほんの少しの時間休みたいというときには、店内がどれだけ雰囲気のある内装でも結局休まらないし、お金ももったいないです。

実際、某コーヒーチェーン店に入ると、コーヒーをトレイに乗せたまま席が開くのをじーっと待っていたり、座っても店内が騒がし過ぎて、がっかりして出てくることがあります。
それなら会社に持って帰って飲むか、公園で飲んでいた方が良さそうです。

もしかすると、ファミリーマート周辺のショップで働いている人たちも、同じようなことを感じているかもしれません。オフィス街ではないので、飲食している人たちは、ここで働いている人たちではなく、ほとんどが買いものや遊びに来ている人たち。
休憩のときにはコンビニでコーヒーを買い、バックヤードで飲んでいた方が気分転換できる、なんて需要があるかもしれません。
そう考えると勝算は、ありそうですね。



今まで私がコンビニコーヒーを飲んでいるシチュエーションは、完全に土日。合気道の道場に行くときです。車で行くので、コンビニによってコーヒーを買って飲みながら運転していることがけっこうあります。やはり運動する前に、休みの日の精神状態を、ちょっとはシャキっとさせたいんでしょうか。
車で飲むわけですから、もちろんフタをしてます。このときに、最初に書いたようなプラスチック臭のするコンビニチェーンもあるんですよね(笑) だからフタをせず、駐車場で飲んだりもするのですが、これからの季節は、ちょっと厳しいです。
今までコーヒーを販売しているファミリーマートに出会ったことがなかったので、多少遠回りになってもセブンイレブンに行ってました。香りだけで、気持ちのモードを切り替えられます。


私のいずれの理由も、そんなにメジャーではないかもしれませんが、コンビニコーヒーが7億杯も出るのなら、ニッチな需要も大切ですよね。


コンビニコーヒーがコーヒーチェーンに並び、さらに拡大する?


日経トレンディが選ぶ『2013年ヒット商品ベスト30』の第一位は、「半沢直樹」「あまちゃん」を抑えて、なんと「コンビニコーヒー」。売れ行き・新規性・影響力の3要素でヒットを評価すると、コンビニコーヒーがトップになるんだそうです。確かに他業界への影響だって、大きいでしょうしね。
コーヒーチェーン店やファストフードが、食われているんでしょうか?

画像:タリーズの閉店後の様子


Business Media 誠に掲載されている朝日大学マーケティング研究所の調査によると、「コンビニコーヒーを買うようになって、利用が減ったコーヒーはありますか」という問いに、40%弱の人たちが自販機やコンビニの缶コーヒーが減ったと回答しているそうです。

考えてみると、そりゃあそうですよね。缶コーヒーと価格も同じですし。
ただここに掲載されている情報だけだと、アイスコーヒー、ホットコーヒーがわけられていませんが、冷たいか熱いかで代替になる飲料は、もっとあるかもしれません。


株式会社マーシュという調査会社の『コンビニコーヒーに関するアンケート』では、「外出先で飲みたくなったとき、カフェ・コーヒーチェーン店とコンビニが横並びに並んでいたとしたら、どちらのコーヒーを購入しますか」という趣旨の問いに、なんとほぼ同数、若干コンビニで買うと答えた人が上回る結果が出ています。

また「今後、コンビニコーヒーの利用が増えると思う」と答えた人に、その理由を自由記述で聞いた結果が載っているのですが、やはり車なら駐車場があるとか、駅前じゃなくてもどこにでもあることの利便性、気軽さが大きいようです。個食の需要と同じことのようです。



コーヒーが飲みたいという欲求だけなら、テイクアウト。おいしさが同程度なら、価格と利便性の選択。
時間がある。落ち着いて飲みたい。あるいは複数で利用ということになると、必然的にコーヒーチェーンやカフェに。
コーヒーチェーンやファストフードが実験すべきは、テイクアウトのコーヒーを値下げですけど。もしかすると場所・雰囲気に支払うお金より、利便性を優先する需要が上回りつつあるのかもしれません。そうだとするならコーヒーチェーンやファストフードが、値下げしたところで、あまり意味はなさそうですね。


コンビニコーヒー側は、これ以上、やれることはなさそうです。ただ絶好調だといわれるセブンイレブンのマシンは、佐藤可士和さんのデザインが質感とアンバランスで、なにより表示が分かりづらく、どこの店でも説明がベタベタ貼られていて、なかなか笑えます。
#セブンカフェの様子 が各店舗の工夫いっぱいで面白い

カフェならセガフレード・ザネッティのようにサイズ表記がD:Demitasse/P:Piccolo/C:Classico/G:Grandeのように二度見しても迷うような表記でも、まだ許されるかもしれないです。私は一番小さいのを、と言いますが(笑) コンビニコーヒーのマシンは、利便性を最大にして欲しいです。



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2013年12月9日月曜日

行列までして、買ってくれる理由 -5

先週の木曜日、Twitterでロケットニュースのツイートを見て、あ、これはかなりの行列が出来そうだ。あの場所だと大混乱じゃないのと思って、リンクをクリックした。
下に「提供 : ALOOK」と書かれていまので、パブリシティのようです。もしかすると写真の提供だけかもしれませんが。

画像:橋本環奈ちゃんを紹介したロケットニュースの記事


私はアイドルどころか、芸能人のことにはかなり疎いですけど、この橋本環奈ちゃんのことは知っていた。どうして知ったのか、そのキッカケは憶えていないのですが、ロケットニュースの記事の見出しにあるように「1000年に1人の逸材」だとネットで騒がれていて、中国でも話題だという情報です。


そんなに評判なら、とんでもない人数が殺到しそうです。でも、あの場所は大人数が並べるようなスペースがありません。公園通りの入口で三叉路、その角にお店があります。
記事によると、『ALOOK』渋谷店のオープニングセレモニーで橋本環奈ちゃんが11時半から1時間、1日店長をつとめるとのこと。1時間なのに1日店長っておかしな肩書きですけど、17時半からは心斎橋店に登場と書いてあります。
『ALOOK』というのは『眼鏡市場』のことで、何日か前から改装工事をしていました。看板には、なぜか「きゃりーぱみゅぱみゅ」という文字が書いてあります。



徹夜している人は、ゼロ? ロケットニュースの影響力も、それほどでもなかった?


5日木曜日の帰り、9時ぐらいだったと思いますが、まだ工事をしている『眼鏡市場』の前を通りました。並んでるような人は見当たりません。ほんの近くですけどアップルストアと違って徹夜できるような場所ではないし、もしかして橋本環奈ちゃんは、そこまでの注目度はないんでしょうか。


6日の朝、出勤時に前を通ると店の前にいるのは、20人程度だったでしょうか。関係者やメディア関連らしき人たちもけっこういて、純粋にお客さんがどれぐらいいたんでしょうか。いやぁこれは予想が外れた。ネットで評判というフレーズは、マスメディアのみならず、ネットメディアでもよく使われるけど、現実の動きはこんなものなんだろうかと思いました。
というのも11月上旬、昼間出かけた時に、マルイシティ前にとんでもない数の、それもほとんどスーツ姿の人たちがいて、道との境にロープが張られていました。なんだこれはと思って見てみると、AKBのメンバーが演歌を歌うというイベント。
音楽サイトによると、約1000人が集まったと書いてありました。私が見た感じだと、1000人はいくらなんでも大げさ。それでも数百人はいたと思います。
それと比較すると、かなりの差があります。





[Googleトレンド]で、「橋本環奈」を調べてみました。

画像:Google トレンドで橋本環奈ちゃんを調べた































11月8日を100としていますから、11月6日での話題性は約1/5。それに話題は中国じゃなくて、台湾、香港のようです。

[Yahoo!リアルタイム検索]で調べてみました。TwitterのツイートやFacebookの投稿、Yahoo!プロフィールの「ひとこと」を検索した結果なので、対象が違いますが、短い期間とか今現在ということになるとGoogle トレンドより、こちらです。
右上に[注目度]が出ます。
画像:Yahoo!リアルタイム検索で橋本環奈ちゃんを調べた
これによると、ロケットニュースの記事が出た5日はほとんど話題がなく、6日の14時に注目度のピークが来ています。これは『ALOOK』渋谷店のオープニングに来た人の投稿が拡散し、心斎橋店に登場することも重なって共有されたのでしょう。
また、週アスPLUS MacPeople編集部が、「ネットで評判の橋本環奈がナンボほど可愛いのかこの目で確かめてきた」という記事を6日の14時30分に出していますので、けっこう持続しています。その後、様々なネットメディアがこの話題を取り上げています。




ほとんど人が集まっていないと思った、私が甘かった


『ALOOK』渋谷店のイベント当日の朝、私が通ったときには「あんまり集まってないな」と思ったのですが、観察が足りなかったようです。いや普通はまず、気がつかないと思いますが、当日のロケットニュースにもイベント報告の記事が出ていました。

画像:ロケットニュースに掲載されたALOOKオープンに並ぶ人たちの写真

ピンクのニットキャップと黄緑のマフラーは、お店からのプレゼントだそうです。記事には、こんな風に書いてあります。

渋谷店では、先着100名にきゃりーぱみゅぱみゅさんのデザインをあしらった、新作メガネ「ALOOK NEON」がプレゼントされることになっていた。しかも、メガネ購入者には商品を環奈ちゃん直々に手渡し。ファンならぜっっったい! に手渡しされたいはずである。そのため、オープン時間のはるか前から店前で待つ人の姿が見られた。次第にオープン時間が近づいてくると、その列はまたたく間に伸び、アッという間に100名に達したのである。

んんー、そうか。店の前で溜まれないから、周囲でスタンバイしてたわけね。そんなこと、想像もしませんでした。



情報の流れが、ほぼキレイに追えるモデルケース


こういう風に見ると、ロケットニュースが導火線としての役割になり、小さく広がった話題がイベント当日に、それなりにブレイクしたと言えそうです。前日の告知でも、100人ほどならロケットニュース発で満たせてしまったようです。
それってすごいことで、翌日の特定の時間にファンを100人集結させられるってことですから。

その後のネットメディアでの広がりは、典型的なバズのパターン。取り上げるネットメディアがどんどん増えていき、その情報をSNSで投稿する人が激増する。
ただ8日日曜日には、NAVER まとめも出ていますが、『ALOOK』関連は写真が出ているだけなので、このまとめを見ても、お店には結びつかないと思います。
Google トレンドで重ねて調べてみました。
残酷なほど、店名は話題になっていないようです。
画像:Googleトレンドで橋本環奈ちゃんとALOOKを比較して調べてみた

先着の100名は買ってくれたにせよ、その後に続く集客効果はほとんどなさそうです。そりゃあそうでしょう。お店や商品と橋本環奈ちゃんが関係なさ過ぎますから。

ちなみに上の[Yahoo!リアルタイム検索]の注目度グラフを見ていただくと、本日9日の午後からが大きな山になっていますね。これは週刊プレーボーイのグラビアに橋本環奈ちゃんが出ているそうで、話題になっています。
所属事務所としては、ここが攻め時でしょうね。


2013年12月6日金曜日

『アンバサダー・マーケティング』を読んで、推奨してくれる顧客ってなんだと考えてみた

前に、「〜ってなんだと考えてみた」と書いたのは『USERS』。なんか節操ないみたいですけど、今回取り上げる『アンバサダー・マーケティング』という本も、とても納得できる内容でした。私は『USERS』と『アンバサダー・マーケティング』を、結びつけて考えました。

画像:アンバサダーマーケティング表紙


『USERS』は、実際に買ってくれたお客さん(=顧客)だけじゃなくて、デジタルでつながる人すべて(=ユーザー)を対象にしなきゃいけない。というのが基本的な考え方。


画像:『USERS』の対象とする概念図
『USERS』の考え方


核になっているのは、ユーザーは気まぐれだという視点。買い物をレジャーと考えていない限り、最も安いところ、最も便利なところから買う。なにか買おうとする時、ユーザーはどこで買うかを決める際  ------  信用(Trust)、利便性(Convenience)、価格(Price)、そして楽しさ(Fun)=(TCPP)のバランスを考えている  ------  これらが瞬時に頭の中をよぎっている。と書いています。


一方『アンバサダー・マーケティング』では、もう広告は効かない。最近の先進企業が頼っているのは、「アンバサダー」と呼ばれる人たちを味方につけて、熱烈なクチコミをしてもらうことだ、と書いています。
ということは、『USERS』では実際に買ってくれたお客さん(=顧客)だって気まぐれなんだから、もっと広く、デジタルでつながる人すべて(=ユーザー)にアプローチしなきゃという考え方と対立するような立場のマーケティングなの? 
たぶんそんなことは、ないと思います。

両書とも、ネットの登場によって主導権が生活者に移った。それが今日の、目まぐるしく移り変わる市場を作っているという認識は同じなんでしょう。ただ『USERS』は、“気まぐれだから広く訴求しましょう”と考えている。
『アンバサダー・マーケティング』のベースにあるのは、そうは言っても、大切なのはすでに買ってくれた顧客。その中でも、周囲に推奨してくれるファンは最も重要ですと考えているんだろう。
『アンバサダー・マーケティング』の構造を、『USERS』的な図にすると、こういうことだと思います。

画像:『アンバサダー・マーケティング』の概念図

『アンバサダー・マーケティング』の考え方

『USERS』の図では、右下に小さく[顧客]がありました。『アンバサダー・マーケティング』では、その小さな顧客の中に、さらに熱烈に周囲に推奨してくれる[アンバサダー]がいるということですね。
[ファン]は、私の考えでは買ったことのないファンも存在するので、概念的に別にしました。ソーシャルメディア・マーケティングでは、買ったことのないファンだって重要です。

私の感想では、『USERS』は汎用性のある考え方。どんな企業だって取り入れるべき。『アンバサダー・マーケティング』は、すでに、それなりのブランド力がないと無理だという気がします。私がここでいうブランド力とは、大げさなことじゃなくて、面白いサービスだ、信頼できる製品、コスパに優れている、ユニークだ、便利だ、などというプラスの評判。プラスの評判がまったくないのに、アンバサダーが存在するわけもない。
というのも今のマーケティングでは、割引や誇大な表現やポイントなど、刹那的なものが主流です。今までの記事でもポイントプログラムなどを書いていますが、それは関係を結ぶキッカケであって、そればかりになると、ブランド的なバリューを感じて買っている人は誰ひとりとしていないということになりかねません。

だから『アンバサダー・マーケティング』は、顧客と信頼関係を結ぶことがベースになっているので、『USERS』よりも、より本質的なマーケティングを提唱しているのだと思います。
ただ上に掲載した『アンバサダー・マーケティング』の図の矢印は、行き先の多くはデジタルですから、結局は『USERS』の図のピンクの大きな円になるというのが私の解釈です。つまり「デジタルでつながるすべての人」が、メインの対象になり、手段はアンバサダーによるクチコミだということです。



勝手にオススメしてくれる熱いアンバサダーを捜し出せ


『アンバサダー・マーケティング』には、スターバックスに関するブログを運営し、ツイッターでも情報発信をしている人が紹介されています。こういう人は、けっこういますよね。ところがところが、そんなもんじゃありませんでした。
筋金入りのアップルファンとして、周囲にアップル製品をオススメし続ける元IBM社員。これまでに4台のレクサスを所有し、友人に自分の車を試乗させてあげたり、ディーラーを紹介したりすることで、14人の友人にレクサスを買わせてしまった人までが登場します。
ちょっと唖然としますが、日本でもいなくはなさそうです。

でも、そんなアンバサダーをどうやって見つけて、どうやって動いてもらうんでしょう。見つける方法については、これも唖然とするような、簡単なことが書いてありました。

方法は3つ。ひとつは、1.直接聞く
「製品やサービスを知人や友人に薦めたいと思いますか」という簡単で、しかも究極の質問をすること。解答は、推奨の強さを「薦めない」から「強く薦める」までの11段階から選ぶ仕組み。最も「強く薦める」とそのひとつ下を選んだ人たちを「アンバサダー」として考える。
画像:究極の質問画面



2.傾聴する 基本はソーシャルメディアでの発言をモニタリングして、発掘する。
3.観察する 実際に見込み客を紹介してくれたり、自社に関するサイトや動画を作ってくれているなど、行動している人を探す。

2と3は『アンバサダー・マーケティング』を取り入れなくても、日常的にやっていて当然だと思いますが、偉い人ほど、疎かったり、あまりに影響が小さいと過小評価する傾向があるように感じます。



広い意味でのアンバサダーは、いくらでも存在する


先日、ソーシャルメディアの運用をさせていただいているクライアントから、こんなことを聞かれました。「どうしてツイッターのフォロワーがこんなにいるんだろう。具体的なメリットがないのに」というものでした。会員割引などがあるネット会員の仕組みがあって、そこには会員割引など具体的なメリットがあります。その会員数の2倍近いツイッターフォロワーのいることが、不思議だという疑問なんですが。

私は「そんなこと当然で、アプローチしてくる人全員の相手をしてるじゃないですか」と答えました。割引というベネフィットが、たとえば9割引なら誰もが会員登録するでしょう。でも、そうではないですから。
ソーシャルメディアをやっている人の多くが、情報収集とか友だちとのコミュニケーションと言いますが、実際は暇つぶしですよね。お酒好きの中高年が、飲みニケーションだ!と言ったところで、時間がなければ飲んでもいられないですから。それと似たようなものかと。
ちょっと検索すれば出てくるような情報でも、無視するか、丁寧に答えるかで、ぜんぜん違ってきます。

「批判とか苦情も含めて」「その人の過去のツイートまで遡って読んで、どう対応するか変えている」みたいなこともお話ししたのですが、丁寧に対応すれば、それこそアンバサダーのように味方になってくれることも少なくありません。


ソーシャルメディアでリツイートやRTしてくれたり共有してくれる人だって、アンバサダーだと、私は思います。
『アンバサダー・マーケティング』では顧客の中で、勝手に周囲にオススメしてくれる人がアンバサダーですが、ソーシャルメディアの時代だと考えるなら、ソーシャルメディアの中での存在感や評判が、もっとも重要ではないでしょうか。

画像:行列している様子

ターミナル駅から出て、すぐに目に入る建物やお店は「存在感がある」ということです。裏に入った通りなんだけど、人が行列しているお店は「評判がいい」ということだと思います。
ソーシャルメディアでは、発信しなきゃ始まらないといわれますが、発信だけで「存在感」や「評判」を作るのは、至難の業。たぶん、ウザがられるだけですね(笑)
だから『USERS』のところでも書きましたが、味方になってくれる人をどれだけ増やせるかが重要で、顧客かどうか以前に、味方かどうかでアンバサダーを考えた方がいいと思います。

だから世界的なブランドで、すでに大勢のアンバサダーがいるのであれば、発掘して、より味方になってもらえばいい。でもそれ以外の企業は、アンバサダーを育成するという考え方に立った方が良さそうですよ。


ステマやストーカー的な広告は、そろそろ逆効果


少し前にステマという言葉が流行語大賞になってもおかしくないぐらいに流行しましたが、ステルスマーケティング的な手法は考え方として広告の延長です。テレビCMを見て、「キムタクが、こんなクルマに乗ってるかよ」と、つっこむ人はいても、けしからんと批判する人はほとんどいないでしょう。
それなのになぜ、芸能人が使ってもいないオークションサイトのことを、ブログで良く書くと批判が殺到するのでしょう。オークションサイト自体がインチキだったということが問題だったわけですが、それ以上に芸能人とはいえ、ブログはマスメディアではない、個人的な姿が出ているものだと、大勢の人が考えているからですよね。

クチコミグルメサイトの評価がお金で左右されているというのも、同じ構造。いや、一般の人たちが評価していることになっているのだから、さらに問題でしょう。
こういうステマ的、やらせ的な手法は、巧妙になるだけで消えはしないと思いますが、そんなこと分かっている、見破っている、疑っている人の方が多くなっているのではないでしょうか。

大勢の人が知りたいのは、リアルな評判。これを作ってくれるのは、広義のアンバサダーしかいません。
『アンバサダー・マーケティング』のいいところは、アンバサダーに対価を支払ってはいけないと断言しているところ。熱烈なアンバサダーだと、お金を支払うと怒ってしまうかもしれません。なぜってきっと、アンバサダーが周囲に推奨するエンジンは、純粋に良さを知っている利用者であることの誇りだという気がします。



またネット広告の手法は、どんどん「このユーザーは何を検索したか」「どんな人か」「どのサイトを見たか」など、ビッグデータを活用したものになっています。ただその多くは、ストーカー的に、どこに行ってもついてきます。

ある化粧品会社の仕事で白班事件のことをチェックしていたのですが、見事に白班事件のことを書いたブログやまとめサイトに、カネボウ化粧品のバナー広告が出てきました。悪い冗談にしか思えませんが、被害者が見たら激怒しそうです。
食材偽装の時でも同じでした。ネット広告の仕組みは賢そうなことを言っても、こういうことになっています。数値化されたデータとして、クリックする人、買う人が多ければ正解。不快に思う人、クリックしない人のことは何の対象にもされませんし、考慮もされません。味方をつくるという考え方とは、真逆ですね。
『アンバサダー・マーケティング』には悪評がたった時の、売上的なマイナスも出ていますよ。






2013年12月3日火曜日

いいなと思った動画 Vol.5

今回は、大人っぽいというかアダルトというか、そんなYoutube動画中心にまとめてみました。



まずは硬いビジネス動画から。この動画は先週、東急線のドア上のテレビモニター「TOQビジョン」で流れているのを見て、大笑いしそうになりました。もちろん音声はなく、テロップだけなんですけど。
因果関係なしに、現象だけ見てる判断って、ありがちですよね。

Click,  Baby Click! - Adobe Marketing Cloud
アドビって、フォトショップやイラストレータなどで、一般的にも知られてますよね? なかなかアイロニカルで、好きです。




永作博美さんが、コーヒーショップらしき店の店長を務めているテレビCM。いったい何の店よとツッコミたくなりますけど、あれをリアルな自販機とアプリでやってしまうというキャンペーン。

【ジョージア】話せる自販機GEORGIA アプリ紹介ムービー

私はこれを見てて、ネット上のやりとりだけの結婚詐欺師を連想しました。相手は男かもしれないのに(笑)
上のアドビのCMじゃないですけど、これって膨大なデータを収集されてしまうでしょうに。
コンセプトや連動の仕方は、画期的です。




タイのワコールが作ったCMだそうです。禁断の18禁ですから、くれぐれも。

[18+] รีวิวอึ๋ม...ดูจบ 2 นาทีชีวิตเปลี่ยน!! [2 Minutes Life Change!]
下着だけで、どれだけ盛れるんだよと、思わず言いたくなります(笑)



18禁とは書いてないですけど、このブログ的には18禁ですから、くれぐれも。
Durexって、世界的に有名なコンドームのメーカー。これはSOS Condomsというアプリのプロモーション動画。説明するより、見ていただければ一目瞭然。ドバイだけらしいですが、本当に届けてくれるんですって。世界は、なんでも届くようになってきました。ビックリです。
それにしても位置情報も含めて、すごい個人情報!(笑)

Durex - SOS Condoms (by Buzzman)





そうそう、18禁といえば要潤さんと鈴木砂羽さんのホクト「菌活シリーズ」の第4弾CM。子供に見せられないとか抗議殺到で、1週間で放送中止になったそうです。でもYoutubeにはあがっていて、先ほど見たら計350万回を突破していました。たぶんテレビで流し続けるより、効果がありましたね(笑)
4本まとめた動画もありますよ。いちおう、リンクだけ。
ホクトCM「菌活­シリーズ」の全4作












最後に、NBAの選手たちによるミラクルで大人っぽい動画を。
メリークリスマス! あれ? まだ早いですか。

Jingle Hoops





2013年11月26日火曜日

WEARで買いものは、どう変わる? O2Oは、どう変わる?

今月から、渋谷PARCOは[WEAR あたらしい買いもの体験実験中]というのをやっている。外も中も告知しまくりで、現在はXmas Party Saleというのがメインだけど、それでもかなり目立つ告知をしてる。

画像:WEAR実験中-渋谷PARCO
[WEAR]って何よということですけど、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイが仕掛けた新しい取り組みらしい。アプリをスマホにダウンロードして、服に付いている専用バーコードをスキャン。すると商品の情報やコーディネートも楽しめるというもの。スキャンした服はSAVEできるし、シェアできるという。

とりあえず文字で説明するより、[WEAR]の ティーザームービーがあるので、それを見てください。




なるほど、気になったものは片っ端からセーブして、ゆっくり検討する。検討中のものに、友だちからの意見ももらえるし、買いたいとなったらすぐに行く。ということなんですね。

お店じゃなくても、その商品はZOZOTOWNでも買えるそうです。買ったものを着て、[WEAR]内のSNSにアップロードできるみたいです。
そういう仕組みを知ると、要するにネット通販のZOZOTOWNとリアル店舗のシームレス化と言っていいんだと思います。ZOZOTOWNにはZOZO PEOPLEという、ほぼファッション専用SNSがあって、コーディネートのスナップ記事が投稿されていたのですが、[WEAR]がリリースされて、スナップ投稿は10月31日で終了となっています。

画像:WEARリリース告知のスクリーンショット

スタートトゥデイの社運をかけたプロジェクトですね。[WEAR]が拡大すれば、ZOZOTOWNの利用も広がる。[WEAR]がダメなら、ZOZOTOWNもおかしくなる。

たぶんZOZOとすれば、ZOZOTOWNで、ネット通販でファッションを買わなかった層を取り込みたい。ブランドショップ側からすれば、売り逃しを少しでも減らしたいというのが狙いでしょう。



ショールーミング化のその先へ


リアルなブランドショップで「いいかも」と思う服のデータをSAVEできたら、ネットでその品番を検索、一番安いショップで買うことが出来てしまう。つまりリアルショップのショールーミング化が加速する? 
たぶん、そんなことは起こりにくいでしょう。同じような商品ならともかく、そのブランドの同じ商品は、ほとんどそのブランドのショップにしか置いてないはずです。
インポートブランドなら、並行輸入しているところや海外から販売することも可能。どこにでもあるような商品なら、代替品を買う選択肢はいくらでもありますが、今回PARCO内で参加しているのは、独自性のあるブランドを確立しているショップばかりです。



具体的な数字は出ていませんが、こんなことを書いている本があります。
セレクトショップのユナイテッドアローズでは、ECサイトの立ち上げ当初、リアルショップの売上が減少してしまうのではという懸念から、全社的な取り組みになっていなかったそうです。ところがECでの売上が上昇するにつれ、ECで買っているヘビーユーザーは、リアルショップでの購入量も、むしろ増やしている傾向にあることがわかったそうです。
ユナイテッドアローズからすれば、ECとの連携を強化することによって、売り逃しを減らし、購入機会を増やすことができるとというわけですね。




これと同じようなことが、[WEAR]で起こるかどうか。『人気店はバーゲンセールに頼らない』を信じるのであれば、ユナイテッドアローズファンは、強いロイヤリティをUAに感じているんでしょう。[WEAR]に参加しているブランドが、そこまでかどうか。[WEAR]自体が、そこまでの価値を感じてもらえるかどうか。そして実験に参加しているPARCOという集積ビルに、メリットがあるかどうか。そこのところは、まだ未知数です。

ただ、ショールーミングに怯えた対策を取るよりも、積極的にショールーム化しよう。それがブランドショップにしても、ファッションビルにしても付加価値になる。そういう判断の方が、意義があるはずでしょう。
PARCOの立場からすれば、他の競合ビルと異なるブランドを集めるのが最優先だと思いますが、仮に同じものを売っていたとすれば、駅にあるルミネや駅のそばにあるマルイに優位性があります。異なる施策を取ろうとすれば、[WEAR]が集客の付加価値になる。新しいブランドの取り込みにも、付加価値になると考えているのでしょう。


上に貼った[WEAR]の ティーザームービーは、英語 Ver、韓国語 Verがすでに公開されています。ショップからすれば、[WEAR]を通じた海外での販売も期待できるという計算でしょう。ユーザーが買った服を着て、[WEAR]にアップロードしてくれれば、それを買うことも可能になるんじゃないでしょうか。



ただ便利なネット通販から、世界感の共有へ


[WEAR]が広がると、ブランドショップからすると[WEAR]が力を持ち、たとえばセールの割引率や[WEAR]の様々な名目で取り分を多くしてしまうということが起こるでしょうか。カンタンにいえば、楽天化するかどうかということですね。
ないとは言えませんけど、たぶん付加価値は、値段の安さという方向には行かない気がします。きっとそういう方向だと、ファッションジャンルで明るい未来はなさそうです。


実店舗とのシームレス化ではないですが、こんなアプリをルイ・ヴィトンが今月リリースしました。これも動画がありますので、それを見てください。
Louis Vuitton Passというアプリです。



当初、ルイ・ヴィトンが新しいキャンペーンにデヴィッド・ボウイを起用した。その第二弾CMはアプリで先行公開というニュースで知ったのですが、Louis Vuitton Passはキャンペーンの世界感を共有したり商品情報を知るためのものだけではありませんでした。
スキャンではないようですが、CMやカタログなどに登場する新製品を買うことができるものでした。
PCサイトからも買えますが、ただスマホサイトで買うだけなら、それこそオフィシャルコンテンツはショールーミングに使われてしまうだけでしょうから。
こんなに付加価値を付けて簡単に買えてしまうとなると、お金持ちの間で、とんでもなくオソロシげな会話が交わされそうです。これを11月にリリースするというところが、ハイブランドの、いやらしさを感じます(笑)


ここまでではないにせよ、[WEAR]を利用して買うということが付加価値になるような方向に進むのではと、私は予想しています。



O2Oは狭い趣向の、付加価値のあるシームレスな世界へ


少し前の東洋経済ONLINEにこんな記事がありました。
ウェブ版とアプリで展開する[tab]というサービスだということです。

ライフスタイル雑誌、旅行雑誌、ファッション雑誌などの誌面で組まれる特集を思い起こしてほしい。「下町探訪」「世界遺産」「渋谷の夜カフェ」「30代女子の通勤スタイル」など。tabでは、そうしたテーマをユーザー一人ひとりが作れる。テーマごとに、“行ってみたい”“食べてみたい”“買いに行きたい”などのリアルの場所を集めて、自分の“tab帳”としてまとめる。自分の興味関心、独自の目線やセンスで作れる“My 雑誌”というわけだ。


スクラップブックのように自分で集めるだけではなく、自分の友人・知人、興味関心が合う人、参考にしたい人をフォローして、行きたい場所をみつけることができるという。
で、こういう情報がtab帳に入っている店の一定範囲内に入ると、プッシュ通知されるそうです。伊勢丹の特定の商品なのか、それとも他で買ってもいいのか、とか。読み物としてはともかく、購入への動機づけが希薄かもしれません。エリア内のキュレーションサービスということなら、車のナビにだってありますから。

[tab]で参考にしたい人を捜すのは、大変そうです。たとえばFacebookやGoogle + のコミュニティで自分の趣味に合うものを探しても、それほど活発ではありません。それを上回るものを、[tab]が集められるでしょうか。

[WEAR]はファッションに特化していますが、そんなにファッション好きで、人に「どう?」って見せたい人が集まるかどうか疑問です。でもここがポイントで、ZOZO PEOPLEのスナップ投稿機能は引き継がれます。今までの利用者が、そっぽを向かずに[WEAR]に移行するかどうかが、分かれ目。ZOZO PEOPLEは、なんどかチェックしたことしかありませんが、大勢のファッションピープルが集っていました。ZOZO PEOPLE以外には、類のないコミュニティでしょう。

原宿・表参道や渋谷の神南エリアには、信じられないほどオシャレな若い男性が大勢います。20代半ばぐらいまでだと思いますが、ファッションに費やすお金も桁違いだそうです。この人たちは、雑誌やネットメディアの取材を受け慣れてるぐらいでニッチ過ぎますが、そこまでは行かないけれども、ファッションに関心が高く、写真も撮られ慣れ、公開され慣れている人たちは大勢います。たとえば美人時計などが一般化することによって、出ることのハードルは大幅に下がってますよね。

[WEAR]が形成しようとしているコミュニティは、政治主導のCOOL JAPANより、世界中からファンを集める可能性を感じます。



境目のないO2Oの吸引力になるものは


フードビジネスでは、クーポンなどの施策がこれからもメインになりそうです。ある調査によると、直近一年間に最もクーポン利用されたのは「ハンバーガー店(ファストフード)」で、64.1%という驚異的な数字です。
2013年2月 マイボイスコム「クーポン利用」

これはマクドナルドやロッテリアなど、供給側の過剰な配布によって、「クーポンがあって当たり前」が常態化しているのが原因だと思われます。
一方で、米国の外食離れ加速、健康志向が後押し=調査というロイターの記事では、「マクドナルドやバーガーキングが低カロリーメニューを開発している」という趣旨のことが書かれていて、クーポンが集客ツールとしての影響力も低下しそうです。
健康的で低カロリーを求める消費者を引きつけるのは、商品もさることながら、イメージの転換や実態を訴求するコンテンツ、そしてコミュニティの形成が不可欠になるのかもしれません。


当面の間は、クーポンや「O2Oの、これから」に書いたような、どこでも使えるポイントの仕組みが強いと思いますが、買いものの仕方、楽しみ方はとんでもなく変わっていきそうです。
O2Oは、リアルとネットの送客がどうのという段階から、一気に境目のない融合の段階に進みつつあって、どこでも買える、どこでも情報に接することができるという状況が現実になっています。
そうなると、こんなことが考えられるのではないでしょうか。

1.知名度があればあるほど、いい情報と同じように悪評に接する機会が出てくる。
2.誰から買うか、どう買うかが問われる。

1.は消費者の多くが暇つぶしではなく、買いものでネットを利用するようになった場合、価格比較だけではなく、評判やその店の姿勢を問うようになるのではないでしょうか。
実はネット通販の利用者は、日本人全体の、まだ1/3程度でしかありません。

画像:平成23年版 情報通信白書 ネットショッピング利用状況の推移グラフ
(出典)総務省「ICTインフラの進展が国民のライフスタイルや社会環境等に及ぼした影響と相互関係に関する調査」(平成23年) (総務省「通信利用動向調査」により作成)

総務省の平成23年版 情報通信白書によれば、電子商取引(BtoC)利用者の年間平均購入品目数は2.5個。15歳以上におけるインターネットショッピング利用率は、平成22年で36.5%です。

今までは、実店舗で家電を見て、ネットで検索して最安値を買う。いわば金銭的な損得での利用が多かった。だからこそ、価格.COMのPVも伸び続けた。
でもこれからは、実店舗で買うにしてもネットに接続して調べる人がもっと増える。ネットで調べて、ネットで買う人が増える。そうすると、金銭的な損得のプライオリティがどうなるかはわかりませんが、“評判”がより重要な要素になることは間違いないでしょう。
ネットでブラックだと叩かれている企業は、実際の店舗の売上に響いているようです。



2.は、たとえば先にあげたLouis Vuitton Passというアプリですが、このアプリで購入するのは、実際のヴィトンショップで買うのと同様のポジションかもしれません。いや、もしかすると人によっては、実際のヴィトンショップ以上の付加価値を感じるかもしれません。
少なくともディスカウントショップやリサイクルショップで買うのとは、異なる気分なのではないでしょうか。


上で使っている通信情報白書に、こんなデータがありました。

画像:平成23年版 情報通信白書 ネットショッピングの利用実態グラフ



これによると、価格比較サイトを使っている人が約1/3。
それ以上に特定のECサイト、特定のECモールで購入している人がかなりの割合を占めます。慣れ親しんだところでという理由もあるでしょうけど、あちこちでクレジット番号や個人情報を入力したくないという気持ちも強いのではないでしょうか。たぶん「特定のECサイト」の大多数は、アマゾン。「特定のECモール」とは、楽天でしょう。
いかにもO2O事例的な行動では、「店頭で実物を確認 →ECサイトで購入」が17.2%、「ネットで見た商品を店舗で確認 →ECサイトで購入」が14.6%となっています。

今までネット通販を利用したことがなかった2/3の人が利用するようになるとすれば、それは従来より保守的、あるいは慎重な使い方だろうと想像されますし、損得とは異なる動機づけが必要になると考えられます。



[WEAR]は、どこを拡大しようとしているのか


私は今月頭に、渋谷PARCOでこんなフライヤーをもらいました。[WEAR]のフライヤーです。内側には、[WEAR]の使い方が書いてあります。
受け取りましたが、いやぁ〜私が[WEAR]を使うわけないじゃんと思っていたら、それ以降も三回ほど渡されそうになりました。前に書いているように、PARCO BOOK CENTERには行きますが、行くたびに渡されそうになっています。さすがに、おかしいだろ。
画像:WEARリーフレット




























服も年に1回ぐらいはPARCO で買いますが、買うような店は[WEAR]に参加していませんし。だいたい[WEAR]のメインターゲットは20代半ばぐらいで、おっさんが使うわけないし対象にしてないだろと思ってたら、スタートトゥデイの代表がこんなことを言っていました。
EC事業者としては、これまでECで服を買った事がない人は当然狙いになるでしょう。あと、若い人はもちろんですが、個人的にはおじさん世代に使ってもらいたいですね。お父さんがたまに料理をする時にレシピを調べるように、コーディネートを気軽に検索して試してもらって、お洒落なおじさんが増えればいいな、と思っています。
【インタビュー】スタートトゥデイ前澤代表に聞く「WEAR」の狙いと海外進出 - Fashionsnap.com

えええっ!? ですよ。そこは間違いですよね(笑)

層の拡大はやめて、海外だけにした方がいい。と思っていたのですが、よくよく考えると、今30歳の人も10年経てば40歳。もしかしたら既婚で子供がいても、自分で服買うような人たちが増えてるかもしれないな。
そこで買える機会を増やす、買い逃しをさせないということなら、シームレスなO2Oは必要だわと考えるようになりました。

これからのリアルもネットも関係なく、つながった世界。いつでも、どこでも買える世界を考えると、層の拡大も当然かもしれません。

2013年11月20日水曜日

リアル店舗が、Googleの仕組みを知らなかったら困っていた実例

なんども書いてますけど、現実のお店などを持っているところは、Google マップの[Google プレイス]に登録をしておくと、検索で有利です。今回は逆に、登録をしなかったらどうなるかという、わかりやすい実例からご紹介します。
※参考リンクは、最後にまとめています。


▷その場所は、大手チェーン店が撤退した跡地だった


この小見出しだけで展開が読めちゃった方は、読まなくていいですから(笑)
都市部では、何年も空き地だったところに、新しい建物ができるお店ができるなんてことの方が珍しいですよね。あるウェブサイトを作らせていただいているクライアントが、新規出店した場所も、その前は大手チェーン店が出ていた場所でした。

その大手チェーンは、当然のように[Google プレイス]に登録していました。ネットの、そしてGoogleのやっかいなところは、一度登録されたり、インデックスされたウェブページはすぐに消えないということ。登録者が登録を取り消すなんてことは、なかなかないでしょうし。



だから私は「とにかくGoogle プレイスに登録してください。しないとGoogle マップ上には、いつまでも前のチェーン店が出たままですよ」と言っていました。このクライアントは、あまり危機感を持っていないというよりも、自社サイトがしっかりしていれば問題ない。個人のGoogleアカウントで、法人の登録をするのは誰が妥当なんだ、というところで引っかかっていました。
確かに担当者が自分のアカウントを使って登録するのは、抵抗感があるのかもしれません。


でもGoogleでエリアを指定して検索した時に、お店の情報が出てこなくていいのかどうか。
特にスマホで検索された場合、Google プレイスに登録されたものがトップに出やすいですよ。PCでもGoogle マップで検索した場合はもちろんですけど、Google検索でもGoogle プレイスに登録されたものが、まとまって上位に出やすいです。登録しないのは、はっきり言って不利ですと。
というような話をさせていただいて、なんとか登録してもらいました。

こちらは、ウェブサイトにGoogle + ページはもちろんのこと、店舗の情報のところにGoogle ローカルページのリンクも付けました。(Google プレイスとGoogle ローカルは、ほとんど一体です)
1ヵ月半ほどかかったと思いますが、Google マップ上から大手チェーン店の情報が消えました。

Google プレイスだけじゃないですけど、もしGoogle関連の施策をしなかったら、前の情報はいつ消えたことか。なんとも、わかりませんけど。

でも、それだけじゃないんです。こういう場合も。


Googleストリートビューに、以前のものが写ったまま


都心だとほぼ間違いなくストリートビューがありますが、この画像には古いものがしっかり残っています。
Googleが撮り直してくれないことには、仕方がありません。Googleは撮り直すサイクルを公表していませんし、1年間に複数回撮影している場所もあれば、一度の撮影だけで終わっている通りもあるようです。
画像:写真がストリートビューになるまでのスクリーンショット

上の画像はGoogleの舞台裏ストリートビュー[写真がストリートビューになるまで]の画像ですが、上映されているものだって、ストリートビュー上では長期間残っているでしょうね。

そんなことはともかく、ストリートビューをどうにかする方法はあるでしょうか。
え〜っと通りからの外観だけは、Googleが撮り直してくれるのを待つしかなさそうです。



Google おみせフォトに申し込んでみる


Googleストリートビューの中に、[おみせフォト]というのがあります。大学、スタジアム、ショッピング モール、公園など、大規模な施設の場合は、ストリートビュー チームによる撮影を依頼できます。
小~中規模のお店やサービスの場合、「全国のGoogle 認定カメラマンが撮影を行い、レストラン、ジム、オフィスなど、ご自分のお店やサービスを Google マップで紹介することができます」と書いてあります。これが[おみせフォト]です。
[おみせフォト]は、撮影した写真をつないで360度見渡せるパノラマ写真になります。

これを説明したGoogleのページには、「博多水炊き 鶏料理 可士和 赤坂見附店」という店が載っています。
画像:おみせフォト紹介ページ

この店を、Google マップで見ると、こんな風になっていました。



Google マップでも左側に、こういう大きな写真が出ますので、目立ちます。そしてマップを最大に拡大するか、人形のアイコンをクリックするとお店の中に入ることができます。
ストリートビュー上を移動して、この場所まで来ても、外観はビルです。このお店はB2ですので、当然ですね。先に書いた例は路面店ですが、ストリートビューで通りをやってくると大手チェーンが出てくるのと、似たようなものです。詳しくいうと通りからお店の方向に移動すると、お店の中、360度見渡せるパノラマ写真の中に入ることが出来ます。

少しでも、かつての店よりも自店の存在感を出したいなら、こういう方法もありますね。

撮影の費用は、私が知っている例では7万円です。検索したところ、あるGoogle おみせフォト認定パートナーでは4万2千円〜となっていました。お店の規模や場所によって違うのかもしれません。もしかしたら、Google がやっているのではなく、認定パートナー制のようですから、パートナーによっても変わってくるのかもしれません。
都心の路面店やランドマーク的な建物は、軒並み営業をかけられているようですよ。



結局、自社でどこまでやるかで効果が変わってくる


「可士和 赤坂見附店」は、Googleの広告ページに載っているぐらいですから、いろんなことをやっているだろうな、やってもらっているだろうなと思ってチェックしてみたら、そんなこともなかった…
このお店の、Google ローカルページです。


たぶん、Google プレイスに登録した情報そのままでしょう。たぶん、Googleサイドに撮影と登録をしてもらったんでしょうね。それがそのまま自動的に引用されているだけで、お店はなにも更新していないんだと想像します。
せめてメニューとその写真を何点か入れないと、見た人が落胆しそうです。また自社サイトに[+1]のソーシャルボタンやGoogle ローカルページへのリンクをつけて、Google + 内での口コミを促した方が有利だと思うのですが。



以下、リンクです。

◎Google プレイスへの登録

◎Google ストリートビューの仕組み

◎Google おみせフォトの解説

2013年11月15日金曜日

いいなと思った動画 Vol.4(Youtubeが、こんな風に使われだした)

今回は映像的にいいなと思ったものではなくて、Youtube動画の使い方そのものが変わってきている、面白いなと感じた最近の動きをご紹介します。


画像:youtube動画イメージ



▷メルマガ購読への導線としてのYoutube動画


堀江貴文さん、ホリエモンの『ホリエモンチャンネル』が活発に新しい動画をアップされています。もちろん出所後じゃないと、ご本人が出演できませんけど(笑)
今年から、読者が1万人を突破しているという有料メルマガ「堀江貴文のブログでは言えない話」の人気コーナーQ&Aを動画にもしています。

ホリエモンのQ&A vol.8〜ファッション雑誌編集社、売り上げ回復は可能か!?

この動画はチラ見せ的な役割で、狙いはメルマガ購読への誘導でしょう。「堀江貴文のブログでは言えない話」以外にも、書籍の宣伝にも使われていて、さまざまなメディアへの連携や販促に使われているようです。
私なんかはQ&A動画だけでも十分面白いし、メルマガを購読しなくてもいいんじゃないのと思ったりしますが、ユーザーとの接点をさまざまなところで持たなきゃ、存在感を保てないという考えなのかもしれないです。いずれにせよ、映像も編集もまったく凝ってないし。この動画を作るのは大した手間じゃなさそうです。
Youtube動画はバラまきチラシと考えればokだと、私は思っています。



▷ファッション誌の販促としてのYoutube動画


ファッション雑誌が買われなくなっているということですけど、当の女性誌はどんな風にYoutubeを使っているのでしょうか。

優香 FRaU 6月号「痩せる新習慣」撮影&コメント

これを見たとき、そうだよ、雑誌はティーザー的に、チラ見せ的に毎号動画を出せばいいのにと思いました。スチール撮影の横で撮影してればいいだけだから、ついでにやれてしまいます。だけどFRaUは、あまり熱心ではないようです。確かにゲストが魅力的じゃないと効果は薄いかもしれませんね。


Cancamは最新号の付録をメインに、テレビCMと手法と同じような動画を出していたりします。チラ見せ的で面白いなと思ったのは、WITH。

「リボン巻き」をマスター!! by「with12月号『冬の巻き物レッスン帳』」

編集には手がかかっていると思いますが、映像的にはあまりファッション誌と思えないような作りです。でもこの手の内容は映像で見せれば一目瞭然ですし、ネタのチョイスはいいですよね。ただ五大巻きすべてを動画にしていたりして、本誌購入への誘導をどうすんのと思ったりします。

その点、フランスのVOUGEは、化粧品の紹介動画を作ってたり、ブランド力を活かして、きっちり広告料金をセットで取っているようです。



▷テレビ局の取り組みは、テレビ朝日が先行


メルマガ、雑誌と来て、じゃあテレビはどうなんでしょう。私がチェックしたところでは、テレビ朝日系列の『ANN NEWS』がだんとつのようです。11/15のお昼の時点でチャンネル登録者 86,804人、 再生数 94,424,246件となっていました。またこの時点でアップされている24時間以内に動画43本をアップロード。、その他に11/13の「原発即ゼロ」決断を 小泉元総理会見を、11/12の楽天が不当表示で処分 三木谷社長会見を、それぞれノーカットでアップロードしています。

画像:ANN NEWSのYoutubeチャンネルのスクリーンショット

テレビ朝日はニュース以外にも目立った動きがあるのですが、なんといっても速かったのは『ロンドンハーツ』。テレビで放送していないコンテンツを、初めて流したのは2011年9月。第一弾は、テレビでは過激すぎて放送できないないのアイドルトラップをネットで復活させるというものでした。
ロンドンハーツ アイドルトラップ#1-1 テレ朝動画 

埋め込み無効になっているので、ロンドンハーツのYoutubeチャンネルで見るしかありませんが、いったいこれはどういうマネタイズなんでしょう。最初に見たときは、本当に驚いて「いったい淳は何考えてんの」と悩みました(笑) 現在でもYoutubeチャンネルにはDVDの発売告知があるぐらいで、Youtubeチャンネル自体で採算が取れてはいないでしょう。
でも考えてみたら、テレビとYoutubeが競合しているのは間違いないわけで、若年層を取り込むには出て行くしかないでしょうし、テレビだけでマイルドな番組になっていたら存在感すら、なくなってしまうということでしょうか。


こんなのも、あります。
画像:Youtube動画『中西ランド』のスクリーンショット


やはり埋め込みは不可になっていますが、私はこの動画で「中西ランド」という番組を知りました。これはきっと、再放送するよりもYoutubeに上げて共有してもらうことで、テレビ番組に誘導するということが主眼だという気がします。埋め込みは不可にしているのは、中途半端ですが。
それでも、番組の違法アップロードを防止するには、こういう方法が一番でしょうし。

テレビ朝日の動きをいろいろ見ていると、現段階では
1.番組への誘導 2.パッケージメディア(DVD等)の販促 3.Youtube広告での収益 などが狙いかなと想像します。番組を作ることを考えれば、Youtube動画化するコストなんて、無視できるほどでしょうし。ロンドンハーツ チャンネルの開設時のようにオリジナルコンテンツを制作するのは大変でしょうけど、特番用に撮影したもので、テレビの放送時間枠に収まらないものやNG等を動画化するなどの方法なら、再利用に近い考え方です。

なにより番組への誘導は、テレビをあまり見ない層へのアピールとして重要です。Youtubeに上げておけば、ソーシャルメディアで共有されて、いわば増殖するチラシとしての機能も狙えます。



▷テレビも雑誌もウェブサイトも、あまり見ない層へのアプローチ


そう、U-25のデジタルネイティブ世代、そして今の高校生はスマホネイティブと言われます。
「スマホネイティブ世代」84%がスマホ所持 YOMIURI ONLINE

これからは既存メディアどころか、ウェブサイトもパソコンからは見てもらえない。いや、もしかしたらスマホからも見てもらえない時代になってしまうかもしれません。コンテンツキング、SEOにはしっかりしたテキスト中心のコンテンツが必要だと言ったところで、文字を読んでもらえないことだって想定されます。


高校生をメインターゲットにした動画をチェックしてみました。
まずDiamond Lashというマスカラやアイライナー、つけまつげなどメイクアップ化粧品のブランドです。あくまで、商品の値段や登場するモデルからして、高校生がメインターゲットじゃないかという私の想像です。

初めてのつけま講座



アイライナー&マスカラ How to メイクアップ!

スマホネイティブ世代には、こういう動画があれば、宣伝も販促もできてしまうのではないでしょうか。


もう少し上のデジタルネイティブ世代がメインターゲットになってるところでは、メイビリン ニューヨークという世界的なブランドがあります。
ウェブサイトでは、[裏技アイメイク]という括りでしっかりコンテンツが作られています。Youtubeチャンネルでは、ブランディングのためのワールドワイドで使われているイメージ動画も多いですが、日本独自のメイク法動画などが、いくつも上がっています。
まず、ワールドワイドの映像と日本独自で作った部分もしっかりしている動画から。
だけど、この動画は埋め込み不可でした。

メイク方法 動画 |2012年最新メイクアップ 「キャットアイズ」













流行のキャットアイズのメイク法でテレビCMやウェブサイトのコンテンツまでしっかり作られているのに、再生は14,428回でした。
その約半年前に公開されている、ゆるい動画が数本あります。

メイク方法 動画|タレ目のセクシーメイク|ラッシュニスタ

これが、再生回数で83,781となっていますから、上の大キャンペーンのキャットアイズのメイク法の約6倍です。
女性の場合まず、実用的なものは仕上がりがキレイであれば、イメージには左右されない。つまり、そんなに凝った映像は無意味という価値観があるのだと思います。そのうえ、キャットアイズの動画は、メイクアップアーティストがメイクしています。一方、タレ目のセクシーメイクは、自分でやっている様子、方法が紹介されています。この方が実用的だということですよね。


化粧品メーカーだけではありませんけど、今は大企業でも広告を出せるメディアが減っている。テレビも視聴率が低下し、雑誌も部数は激減。大きなイメージキャンペーン以外で、従来のマスメディアに出しても意味がない、という流れがあります。
ネットの様々な広告を使っても、自社サイトや自社ECに誘導しなめれば意味がない。そうすると何が必要か。生活者は、つけまつげやメイクアップ商品を買いたいのではなく、それらを使ってキレイに変身することが目的ですよね。そのためには何を使えばいいか、それを知りたい、探しているという流れ。ネット広告でコンバージョンするという考え方とは、ほぼ真逆にあるアプローチです。

商品を買いたいのではなく、キレイに変身することが目的。そのために、そのためには何を使えばいいか、それを知りたい、探しているという流れ。
これを端的に現している動画を最後に貼っておきます。
こういう雑誌の広告って、電車の中吊りで強引に見せられても困りますよね(笑) Youtubeが最適です。773,944回、再生されていますよ。

『S Cawaii! 特別編集 気づいたら誰でも読モ以上の顔になれる』






2013年11月8日金曜日

Googleトレンド[調べる]をちょっと使うと、かなりのことが理解できる

画像:Googleトレンドビジュアライザー表示

上の画像は、Googleトレンド「急上昇ワード」をビジュアライザー表示したものです。
11月7日13時現在のGoogleトレンド「急上昇ワード」は、リーガルハイ。6日は、橋本環奈山本太郎。5日は、楽天優勝セール他、楽天がらみのワードとPM 2.5でした。
だいたい理解できるところですけど、橋本環奈って? 現役中学生で博多のアイドルグループの一員なんですけど、「あまりに可愛過ぎる」とネットで火がつき、中国でも絶賛されているそうです。

当たり前ですけど、Googleトレンドはネットの中での検索トレンドを知るものです。リアルの世界の出来事が大きく影響することもあれば、ネットの中だけで盛り上がってることもあります。
Googleトレンドには現在のところ、[急上昇中]と[ランキング]と[調べる]の3つの機能があります。[ランキング]は今のところアメリカだけのもの。

この記事では[調べる]を取り上げてみます。[調べる]をちょっと使うだけで、かなりいろいろなことがわかると私は思います。使い方はいろいろだと思いますが、[調べる]を使ってみると確率の高い推測ができそうですよ。



▷習い事を始めるタイミングは、どこなんでしょう。


よく広告のコピーでは、春から始める新生活というフレーズが使われます。4月が入学や入社、新年度のタイミングなんですから、3月ぐらいにその準備をする人は多いでしょう。
じゃあ、習い事は? 同じように新年度から新しいことを始めたい人が多いと言われますが、どうでしょうか。
「合気道」で調べてみました。すると関連キーワードで「合気道道場」が出てきました。関連キーワードとは、同じ条件で検索している人に人気のキーワードということですから、習いたいと思っている人を調べるなら、こっちですね。2010年10月から2013年10月までの日本国内の設定で、「合気道道場」で検索した結果です。
※期間や国の指定ができます。
画像:Googleトレンドで3年間の人気度の推移






3月には必ず上がっているものの、この程度で傾向があるとは言えないですね。それよりも、ダウントレンドになっているような気がするので、期間をデータのある2004年1月からで調べてみました。

画像:Googleトレンドで9年間の人気度の推移

まちがいなく下降しています。この残酷なまでに明らかな傾向(泣)


じゃあ他の習い事は、どうでしょう。空手とヨガを入れてみました。空手は関連キーワードで「空手道場」が、ヨガは「ヨガ道場」が最も関連があって、始めることを考えている人が検索するワードだと推測されました。キーワードを足して、比較もできます。

画像:Googleトレンドで9年間の人気度の推移_3キーワードの比較






空手もヨガも、春に検索されることが多いとは言えませんでした。また合気道と空手は、ほぼ同じぐらいの人気で推移していますが、ヨガはその数倍も注目されているようです。
折れ線グラフの[ニュースのヘッドライン]というところにチェックを入れると、ニュースサイトに取り上げられたものがオンマウスで出てきますが、相関関係はまったくないと言っていいぐらいでした。

上記の3つのキーワードでは、始めるタイミングは特になさそうで、逆に言えば年中、何かしらの需要はある、特にピークはないということでしょうか。

そんなことを書いていると切りがないので割愛しますが、ヨガでもパワーヨガとかホットヨガ、ハタヨガなど、さまざまなジャンルに分かれています。もう少しニッチなキーワードでトレンドを調べると、明らかな傾向が出てきて面白そうですよ。合気道道場は細分化すると、サンプル数が少な過ぎるようです。



▷ハロウィンは、いつから人気で、どんなワードで検索されているか


前回のGoogleハミングバード導入で、誰も言っていないことで書いた、ハロウィンのことを調べてみました。テレビでも「ハロウィンは、いつからこんなにメジャーになったんだろう」ということを言っていました。東京ディズニーランドの「ディズニー・ハッピーハロウィーン」が1997年10月31日に開催され、川崎駅前でも「カワサキ・ハロウィンパレード」が1997年から毎年開催されているそうです。

Googleトレンドには、2004年以前のデータはありません。
画像:Googleトレンドで9年間の人気度の推移_ハロウィン





カーソルをグラフにあわせると、実際の検索数ではないですが検索インタレストを表した数値で2013年10月を100として、2010年10月で31、2011年10月は51、2012年10月が77になっていますから、2011年から急上昇していると言えます。この傾向から推測すると来年はさらに上昇しそうです。
※今後の[予測]も表示できるのですが、ハロウィンでは機能していませんでした。

地域別人気度で見ると、なんと全国区です。青い色の濃さが人気度の高さです。
画像:Googleトレンドで地域別人気度_ハロウィン


積極的に参加しそうな人を関連キーワードで見ると「ハロウィン衣装」がありますし、期間の設定を直近の30日間にすると「ハロウィンメイク」「ハロウィン弁当」まで出てきます。
画像:googleトレンドのハロウィン関連ワード


ハロウィン弁当ってなんでしょう。検索しみたら、ほとんどキャラ弁的なもの。クックパッドが上位3つを占めていました。でもお母さんたちだって、みんながキャラ弁をつくる時間があるわけはないでしょうから、提供すれば需要はけっこうあるかも。
ハロウィンメイクも、やり方を紹介したサイトがけっこうあります。1ページ目の一番下に、こんなのがありました。
自然保護団体「ハロウィンメイクは身体に毒!」→皮膚科医「1年に1回くらいなら大丈夫、楽しんで」
アメリカのCBCが元ネタのようですが、ハロウィンがもっと拡大すればこういう懸念も出てくるでしょうし、ハロウィン弁当、ハロウィンメイクやネイルとともに、安全で完成度高く供給するサービスが求められそうです。

一番需要のありそうなハロウィン衣装は、どうでしょう。この12ヵ月の設定でやってみました。

7月の末から検索され始めて、8月のお盆開けには急上昇しています。そんなに早くから調べてるということは、衣装をつくる人たちかなと思ったら、関連キーワードを見ていると、どうも完成品を探している人たちが多いようです。
東急ハンズやLOFTなどでも関連商品を夏からはさすがに置けないでしょうから、検索される前提だと、7月中にコンテンツを作っておいて10月上旬に向けて拡大。店頭に並べ始めるのは、9月上旬からぐらいのタイミングがベストなのではと思います。

それ以上にボリュームの差はあれ、ハロウィンはクリスマスイベントと同じように、トータルな提案が求められているのではと推測できます。来年には、そんな商戦になりそうな気がします。



▷いい肉の日は、これからどうなる


ハロウィンのこれからより、すぐ結果がわかるのは11月29日の「いい肉の日」。今年の2月9日は、Twitterを中心にかなり話題になっていて、これはいったい何ごと?と不思議でした。29日が肉の日というのは語呂合わせで、かなり前からスーパーなどでキャンペーン的な使われ方をしていました。2月9日も同じこと。でも11月29日を「いい肉の日」と言い出したのは、ここ何年かのこと。調べてみました。


検索ワードとして登場するのは、2010年の11月から。全国で検索されているようですが、人気は東京のみです。
検索してみると、この日自体は、2010年に宮崎牛づくり対策協議会が宮崎牛の味と品質の良さをアピールするために制定したそうです。2010年は制定したときのパブリシティ効果で検索する人が多かったけれども、翌年は少し下がった。そして2012年11月には制定した年よりも人気になった。これはどういうことかと調べたら、昨年はロッテリアがいい肉の日に向けて新商品を出したり、スーパーなどでも「いい肉の日」というのを宮崎牛と関係なく使い始めたようなんです。一般名称化したというか。

でも「いい肉の日」のことを、いい肉の日だけで考えてもダメなんです。全農や焼き肉チェーン、スーパーなどは「29日は肉の日」というフレーズを使っていて、11月だけに「いい」が付いていて、検索されるキーワードとしては11月になっても分散したまま。分散というか、キーワード同士が食いあいしているということですね。


「肉の日」「いい肉の日」「29の日」で比較してみました。もっとも少ないのは、赤の「いい肉の日」。もっとも多いのは、黄色の「29の日」です。
関連キーワードのとことを見ると「肉の日」と同条件で検索しているキーワードは、「29の日」と「いい肉」なので、買いに行く食べに行く違いはあっても、お得なフェアやセールを探しているという、ほぼ同じ目的だと考えていいでしょう。そうだとしたら、合算してみましょう。めんどくさ!と言いながら、ザッとやってみました。
折れ線グラフにオンマウスで、数値が出てきます。※Googleアカウントにログインしていれば、csvもダウンロードできます。
画像:Googleトレンドの折れ線グラフにオンマウスした状態



黒い折れ線が、合算したものです。

画像:肉の日、いい肉の日、29の日を合算した人気度の推移

2011年の4月から高くなって、ほぼ高いままの状態を維持しています。特に高いのは、2012年の2月、それに次いで2012年の11月です。もちろん2月9日と11月29日でしょう。その他では毎年4月が高くなっています。4月29日を考えるとゴールデンウィークの入口で、GWに来客して欲しいスーパーや飲食店などがイベントを持ってきているのではないでしょうか。
2012年2月に突出して高くなっているのに、高いとはいえ、どうして今年2013年2月は突出しなかったんでしょうか。
まず今年は全農が国産畜産物の消費拡大のため1月から1年間、「29日は肉の日」としたキャンペーンを実施しています。1月にスタートしているので、1月が目立ち、その反動が2月に来たのかもしれません。

それがあるにせよ、ずっと高い状態です。
毎月の肉の日と、いい肉の日ではどう違うか。たぶんそんなに違わないと思うんですが、スーパーや焼肉店など以外にも、例えばエバラが「11月29日は、いつもよりちょっといい肉ですき焼き」というタイトルで、おすすめレシピを提案していたりします。11月29日は、ちょっと贅沢な提案には持って行きやすいですし、毎月同じお得なフェアを打って、安っぽくなりたくないというところや、周辺の業態からも参入してきそうです。
たぶん今年、年間を通してキャンペーンをやっている全農も、ピークは11月29日に持ってくるんじゃないでしょうか。

私は、昨年の11月29日より人気のトレンドになると予想します。たぶん11月29日も2月9日も祭り状態な予感です。


Googleトレンドを足がかりに、勝手な推測をしてみました。