2014年7月7日月曜日

ソーシャルメディアで予約投稿を使うぐらいなら、やらない方がいい



先週、『メルマガが終了したとか、してないとか、そんな話はどうでもいいのに』を書きましたが、ほかにも毎回メルマガの草案をチェックしてくれとおっしゃる企業の担当者がいらっしゃいます。
こちらはECサイトではないのでメルマガからの導線をどうするかとか、そんなことではなくて、送る前に文章そのものに対する意見を聞かせてくれというのです。仕事ではないのですが読んでみると、お天気のことがかなりの頻度で出てきます。


今なら、「梅雨になって〜」とか「はっきりしないお天気ですね」とか「蒸し暑いので、熱中症にお気をつけください」みたいなことが入ってきます。
私は今の季節は特に、「あいさつがわりのお天気話は、やめた方がいいです」と言います。メルマガですから、予約投稿です。
たとえば明日の朝送る設定だとして、冒頭に「はっきりしないお天気ですね」と書いて送ったとします。ぐずついたお天気ならともかく、ゲリラ豪雨ならどうでしょう。床上浸水しているような時に、「はっきりしないお天気ですね」というメールが来たら、どう感じるでしょう。

あえてお天気に触れるメリットがあるならともかく、です。


メールだから大変なときには開封率が低くなるので、そんなに影響はないとおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。でも意味のないリスクを冒す必要はないですよね。
毎日のように、日本列島のどこかで自然災害が起こっているような時期ですし。



SNSでも予約投稿が便利だという声が



Facebookページにも、予約投稿の機能があります。かつては「いいね!してくれたファンの人たちに向けて発信されます」「多くのファンがアクティブな時間帯を狙いましょう」という人が多かったですが、いまや投稿してもファンの人たちのページにさえ表示されません。[ページフィード]といういいね!した企業ページなどをまとめたエリアに表示されるだけです。
しかもどこの企業も同じような時間帯に投稿しますので、わざわざ[ページフィード]を見てくれても、埋もれてしまう可能性が大きいのです。だから私は、効果的だと言われる時間帯以外の時間帯こそ、効果的だと考えています。


Twitterでも、予約投稿の機能があります。Facebookと同じようなことが言われますが、Twitterはさらに極端です。アクティブな人が多い時間帯は、投稿も激増しています。予約投稿をした投稿も、あっという間に流れていってしまいます。


Youtubeには、[公開予約]という機能があります。かつては誰でも使えたと思いますが、今はパートナーのみのようです。パートナーとは、動画に広告を掲載したりして収益を得るための登録者です。




多くのブログサービスでは、予約投稿の機能があります。夜中に書いたり、まとめて何本も書く人にはいいかもしれないですね。



リアルタイムではなく一方的な発信でよければ、あり?


企業のソーシャルメディア運用で、リアルタイムじゃなくてもインタラクティブじゃなくてもいい投稿というのは、なかなか考えづらいです。「あけましておめでとう」やセールやキャンペーンのスタート告知、あるいはワールドカップの放送時間に合わせて朝四時に投稿するとか、そういうときならありそうですけが。

予約投稿を推奨している人の多くは、楽だ、便利だというだけの視点ではないでしょうか。
ところが最初に書いているような、予約投稿した時間帯にゲリラ豪雨があって、被害が出ていたらどうでしょう。
あるいは大きな事故が起こっていたら、どうでしょう。

そして何より、投稿内容にクレームが来ていたら、どうでしょう。多くの人は、ソーシャルメディアでは、中の人が今書いていると捉えています。クレーム対応では、まず何らかのレンポンスをすることではないでしょうか。
事実関係がわからない内容でも、「調べて、できるだけ早くご回答いたします」と反応しているのと、慎重に調べて丸一日経ってから答えるのとでは、印象がまったく違うはずです。

ソーシャルメディアの運用で「やらかさないために」、慎重に内容を検討して投稿するためにも予約投稿がいいという声がありますが、逆に大きなリスクだって抱えています。


また拡散していくためには、一度の投稿では不十分です。傾聴しながら、それなりに間隔を開けて、投稿することが不可欠だと私は考えます。もちろん勢いを持って拡散している途中に、次の投稿をする必要はありませんし。
予約投稿であらかじめ予想して、組み立てておくなんて不可能です。



個人なら、予約投稿ツールを使っていい?


予約投稿で有名な、BufferというFacebook、TwitterからLinkedinまでの投稿をスケジュールングできるツールがあります。
iPhone用のアプリには、こんな風に書いてあります。

シェアしたいリンク、テキスト、写真、動画などは、全てBufferへ追加しましょう。あなたの更新は、自動的にスケジュールが組まれ、日を空けて好きなソーシャルネットワークに投稿されます。もちろん、全ての更新は、アプリ内の「今すぐ投稿」ボタンから可能。 
例えば、あなたが5つの素晴らしい記事と2枚のおもしろ画像を見つけて、それをシェアしたくなったとします。でも、それを全て連続投稿すると、あなたの友人やフォロワーはうんざり。代わりに、それをあなたのBufferへ追加してみましょう。すると、数日掛けてソーシャルメディアに上手く投稿することができます。



とにかく、おもしろいと思ったものをチェックしていけばいい。ウザがられないように分散投稿もしてくれると。これは便利だ。
ただ、まるでBotのようですし、いずれにせよ、とんでもない投稿数になりそうです。


一年前の記事ですが、こんなのがありました。好調みたいです。
ソーシャルネットワークにスケジュール投稿を行うBuffer、
月刊売り上げが10万ドルとなり、利用者数60万を達成


その中に、こんな記述があります。

ところで最近、ボストン・マラソンの事件の際に、TwitterやFacebookにブランド発の宣伝系メッセージが流れて、悪い意味で注目を集めてしまうというようなことがあった。そうした発言は予め定められたスケジュールに則って投稿されたものだった。もちろん大事件のおりに投稿されるスケジュール投稿は的外れで無神経なものとなってしまうことが多い。Buffer側もそうした状況に対して何らかの対策を練るべきだと考えているようだ。
ですよね。ボストンマラソンの事件とは、多数の死傷者が出た爆弾テロのこと。

「全予定実行停止スイッチのようなものを実装すべきかもしれないと考えているのです」とWidrich(共同ファウンダー)は述べている。


停止スイッチは人間が押すわけですから、予約投稿にしてバカンスに出かけて、あとはおまかせね、とはいかないですよね。




画像:ソーシャル代行しますバナー

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