2014年8月12日火曜日

渋谷スクランブル交差点の何に、外国人は興奮するのでしょう





以前からスクランブル交差点を撮影する外国人観光客は、やたらといます。あらゆる人種がスマートフォンやタブレットはもちろん、一眼レフやビデオカメラを構えて撮影しています。
昼間も夜も、やたらといます。

最近、複数のテレビ番組で、外国人観光客が「日本で行ってみたい場所1位」が渋谷のスクランブル交差点なんだと外国人が言っているのを見ました。なんか、ウソみたいですけど。Youtubeにも動画が数多くアップロードされています。
かつては、アリみたいだ。あんなに人が行き交っていて、ぶつからないのはミラクル。日本人はみんな忍者か。みたいな反応だったと思いますが、最近はCOOL!だと言われているらしいです。「スクランブル交差点を渡った」というのが、自慢になるそうです。

スクランブル交差点が観光名所…



この映像なんて、日本でのプロモーションのためというより、ただ海外向けに「渋谷のスクランブル交差点を渡ったKISS」という画が欲しかっただけなんじゃないのと思ってしまいます。いったい、どこがCOOL!なんだか。
もちろん目撃してたら、私も興奮しますが(笑)
KISSONLINEというYoutubeチャンネルですから、公式みたいです。





映画の中に登場するスクランブル交差点


なんといっても渋谷全体をメインの舞台として使った、2003年のソフィア・コッポラ「ロスト・イン・トランスレーション」。
スクランブル交差点も最後に出てきますが、この映画によって渋谷に行きたい、スクランブル交差点を渡ってみたい。カラオケに行きたいという外国人が増えたそうです。





もっとスクランブル交差点がクローズアップされているのが、2010年『バイオハザードIV アフターライフ』。冒頭が、雨のスクランブル交差点。T-ウィルスの日本初感染者役で、中島美嘉さんが渡っているシーンから始まります。そして交差点地下には、巨大なアンブレラ社の要塞が築かれていた… 
渋谷のダンジョンは、そんなものがもしかしたら隠されていても、おかしくないかも。
と思わせるほどの複雑さです(笑)

バイオハザードが観光に与える影響はなんともわかりませんが、かなり印象深い扱い。異質なものとして扱っているのは、バイオハザードぐらいかもしれません。2008年の『Junper』でもテレポテーションした先で一瞬だけスクランブル交差点が出てきますが、大都会の記号的な扱いです。


映画以上に頻繁に使われているのが、MVです。ONE DIRECTIONなど、メジャーどころも使っていますが、やはり記号的。人が行き交ってる中を、メンバーが歌いながら歩いて行くだけ。
そんな使い方で何が面白いのだろうと、私などは思ってしまいますが、もしかしたらそれが勘違いなのかもしれません。ニューヨークやロンドンの町並みを映像で見て、カッコイイと思ってしまう。ヴェネチアの大運河に魅了されたり、揚子江に圧倒されたりするのと似たような感覚なのかもしれません。

どう感じられているにしろ、世界中で映画やMVが露出することで認知が上がるのは、観光にはプラスですね。


日本人アーティストは、もっと異質に描いている


日本でも、MVで数多く使われています。特に宇多田ヒカルさんのこの作品では、246の池尻方面から渋谷の中心部のありとあらゆるところが使われています。



しかし無人の渋谷、無人のスクランブル交差点しかでてきません。SF的な乗り物より、そこが面白い視点です。もしかしたら、ただ早朝しか撮影できなかったという事情があったのかもしれませんが。


8月末に公開されるコミックが原作の映画『TOKYO TRIBE』では、渋谷はとんでもないことになっているようです。
園子温監督ですし(笑)



もっと異質に見せた作品もあります。
ショウダユキヒロさんという映像作家の作品なんですが、MVになっています。


店の中の映像は別ですが、よくまあこんな通路が、コインロッカーの場所が、こんな小道がこんな印象に変わるもんだと驚きます。



渋谷という土地が持っている記憶


渋谷西武A館とB館の間から東急ハンズへと向かう、宇田川通りの下には文字通り宇田川が流れている。1964年の東京オリンピックに向けて、暗渠化されたそうです。
現在は下水道として使われているとのことですが、再開発で解体されている東急東横店東館の横を通り、渋谷川に注がれていると、さまざまな本に書いてあります。

渋谷川自体も暗渠化されていますが、246号線の南から姿を現せています。これを2020年の東京オリンピックに向け、「春の小川化」しようというのが再開発計画のなかに入っているそうです。


また中沢新一さんの『アースダイバー』という本には、その昔、宮益坂には死体処理を生業とする人たちが住んでいた。神泉は古代から火葬場で、霊能者が住み着いていたと書かれています。
アースダイバーの手法には批判も少なくないようですが、渋谷の街を知っている人なら、あやしさを纏っているのは誰でも感じていますよね。古くからの繁華街は、どこでも、そうですけれども。

特に渋谷は、スクランブル交差点を谷底として、そこから放射線状に坂がのびている。下から見上げている風景は、少し坂を上るとまったく異なる風景になる。Y字が多く、斜めに進むと異なるカテゴリーの街並みが現れる。少し歩くだけで、知らなかった渋谷が姿を現す。

2020年の東京オリンピックに向けて、超近代的な渋谷駅周辺の再開発が始まっていますが、谷底から広がる街の構造は残るようです。
外国人観光客が、スクランブル交差点を渡ってみたいと感じるのは、きっと人の多い都市ということだけではなく、あやしさや多様な表情を見せる計算されていない面白さを、どこかしら感じているんじゃないかという気がします。




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