2015年1月30日金曜日

今年は、Japan Tax-free Shopの動向が注目されそうです

渋谷駅周辺のお店は、昨年末からJapan Tax-free Shopのシンボルマークを見かけることが多くなりました。(最初、観光庁のやっているVisit Japanキャンペーンかと思ったのですが、よく見ると違っていました。日の丸に桜のモチーフのマークは同じですね)

それもそのはず。10⽉1⽇に[外国人旅行者等への消費税免税販売制度]が改正され、免税対象から除かれていた食品類、飲料類、薬品類、化粧品類等の消耗品を含め、すべての品⽬が免税対象となったそうです。
経済産業省/国土交通省観光庁の説明資料



観光庁のJapan Tax-free Shopというサイトも作られていて「免税店になろう!」と推進していますし、免税店.jpというサイトやYouTube動画も制作されています。



2013年に日本を訪れた外国人旅行者が、ついに1000万人を突破。政府は2020年東京オリンピックに向け、2000万人を目指すとしています。この先も外国人観光客が増加するカーブを先取りするように、Japan Tax-free Shopが増えそうです。


ドラッグストアは軒並み大きく打ち出し


どのドラッグストアでもJapan Tax-free Shopロゴや免税店であることを、大きく扱っています。写真はマツモトキヨシの店頭です。



だけどドラッグストアで免税って、そんなに外国人観光客が買うものあるんだろうかと不思議でした。観光庁のサイトには、免税の条件として消耗品は「1日の販売合計額が5千円を超え、50万円までの範囲内であること」と書いてあります。
観光に来て、5千円以上もドラッグストアで買い物をする人がそんなに多いのでしょうか。きっと化粧品が中心なんでしょうね。

観光庁の調査によると、観光客数が多いのは韓国・台湾・中国。2013年度のデータでは、それらの国からの旅行者が買った物品ベストスリーに[化粧品/医薬品]が入っています。
観光庁統計情報・白書

簡単に、数字を見ていきましょう。


日本で買い物に使っている金額は、7,142億円


同じく観光庁によると、2014年の年間値速報で、訪日外国人旅行消費の総額は2兆305億円で過去最高に。うち買い物に使った金額は、7,142億円にもなるそうです。
消費税分の取り扱いがどうなっているのか探してみましたが、見つかりませんでした。




全体の旅行消費額と訪日外国人旅行者数の推移は、こうなっています。



出典は、いずれも観光庁から1月20日に発表された訪日外国人消費動向調査 2014年 年間値(速報)です。
仮に2020年に2000万人に達するなら、旅行消費額は3兆円に迫るのかもしれません。免税店になる、免税店であることを打ち出すことは、重要なマーケティングテーマになりそうです。


ほかにどんな店が、Japan Tax-free Shopを打ち出しているのか


ショップは、こちらで検索できます。Locationは県別のプルダウンになっていますが、Keywordにshibuyaと入力すれば渋谷のショップが出てきます。
Japan Tax-free Shop


ざっと見ただけですが、ソフトバンクが免税店になっていました。渋谷ではドラッグストアに次いで、明確に店頭で打ち出していました。









家電量販店も免税店になっていますが、最も明確なのは、ビッグカメラでした。ほかの店は探している人にわかればいいというスタンスのようです。




ルミネマンと東急ハンズは、はっきりと打ち出しています。ハンズは、パスポート提示か銀連カードで5%OFFになるようですね。






アパレルの路面店でシンボルマークを使っているのは、ごくわずか。MIDWEST、HEAD PORTER PLUSぐらいでしょうか。


G-STAR RAWは目立っていますが店内から見せています。もしかすると日時によって、出し方を変えるのではないでしょうか。


それ以外の路面点、大手セレクトショップなどはTAX FREEの表記だけで、Japan Tax-free Shopのロゴを使っていません。検索でJapan Tax-free Shop Listに出てくるのに、外にはなんの表記もしていない店もあります。

またファストファッションなどでも、見かけませんでした。消費税がない分、安くなるのに意外な感じがしますが、多くが内税方式になっているので取り扱いが難しいのかもしれません。

Japan Tax-free Shopは増えると思いますが、その表示の仕方については、かなり迷いがあるように見受けられます。
現在のところ、外国人観光客集客にどの程度の効果があるのか、様子見的なスタンスかもしれません。


これからを動きが予想できるような記事も


マツモトキヨシについて、こんなニュースがありました。
マツキヨ 免税対応店を倍増へ 80店舗に(1/20 産経ニュース)
中国の旧正月(春節)にあたる2月19日までに、訪日外国人向けの消費税の免税対応店を80店まで急増させることが19日、分かった。現在の対応店から2倍以上に増える。3月末までに50店とする予定だったが、昨秋の免税拡充後、訪日客向け販売が想定以上に拡大。春節休暇も高い需要が見込めるため、計画を上方修正した。
免税拡充後、想定以上に拡大したということですから大きなチャンスですね。


渋谷109では初売りの交換会が恒例ですが、WWD JAPANがこんなレポートをしています。
恒例の"交換会"がレベルアップ、外国人旅行客も大勢参加(1/2 WWD)

渋谷109の広報担当者が「交換会に外国人が増えて驚きだ」とコメントするぐらいですから、予想以上なのでしょう。同じWWDでは、ラフォーレ原宿の元旦初売りの記事でも「外国人観光客も行列」と書いています。
免税ではないかもしれませんが、買い物目的で訪日する外国人は確実に増えているだけではなく、多様な国から多様な目的で訪れていることが推測できます。

取り込み競争で免税店化することもさることながら、免税店であることをどう打ち出していくかも重要な課題になりそうですね。



その後の動き
【訪日外国人】Tax-freeと“おもてなし”と多言語化のスピードが、すごいことに



 株式会社イグジィット ウェブサイト



2015年1月23日金曜日

【Twitter】トレンドの乗り方と、エンゲージメントの関係


大きなトレンドではありませんが、1月22日は「カレーの日」でした。この動きが面白かったので、今回はまず「カレーの日」を題材に、Twitterを中心としたソーシャルメディアでトレンドに乗るということを考えてみたいと思います。

今回は大きく分けると、こんな三つの視点から書いています。
1. カレーの日の動きと、乗っかった勝者
2. トレンドに乗ると、どういうメリットがあるのか
3. メリットの指標としてのエンゲージメントの実例


カレーの日って、なに?



1982年全国学校栄養士協議会で、1月22日の給食をカレーにすることが決められ、全国の小中学校で一斉にカレーが出されたことが始まりだそうです。ハウス食品がバーモントカレーのCMで、そう告知したそうです。

「カレーの日」自体は、これまでにもいろいろなところで使われています。舞鶴市では「金曜はカレーの日」として地域活性化プロジェクトになっていますし、ハウスだけではなくグリコは毎月19日を「熟カレーの日」としています。
ただTwitterでは「1月22日はカレーの日」が圧倒的に優勢です。
Yahoo!のリアルタイム検索で見てみました。
カレーの日で検索すると、圧倒的に1月22日にツイートされています。19日は100件ほどで、22日1万件程度のようです。



1月22日カレーの日に乗った企業アカウントは



まずカルピスのツイートです。これを見たとき、目を疑いました。

本当にインドカレー風になるのでしょうか(笑) ラッシーの代わりにカルピスというメッセージの方がファミリー受けするのではと思いましたが、けっこう斬新です。



そしてキングジム。

まったくカレーと関係がないのに、やや強引な割り込みです(笑) それでもこのリツイートとお気に入りの数。Twitterアナリティクスで調べると、エンゲージメントが凄いことになっているのではないでしょうか。



ウェブマガジン系もやっています。
まさかWIREDがカレーの日に合わせて記事を書いた!? と驚きました。

リンク先に行ってみると、なんとこれが2008年の記事でした(笑)  だけどぜんぜんありだと思います。過去の記事を有効に使ってアクセスを増やしています。



美容系のサイトも。

こちらは、カレーの日は朝カレーで冬太り撃退!?という記事と二本、タイムリーに記事を作っています。



そして大ヒットを飛ばしていたアカウントは、なんと自衛隊宮城地方協力本部。

リンク先は、海上自衛隊のカレーレシピページ。ツイート自体が面白いし、リンク先はちゃんと関係あるし、天才的なセンスだと思います。
さまざまなサイトで取り上げられていましたので、まだしばらくはエンゲージメントが増加するでしょう。
たぶん事前に準備していたツイートじゃなくて、アドリブじゃないかなと思います。
アドリブだとしたら、アカウント担当者に任せてるということでしょうから、太っ腹な組織です。


ここに取り上げたツイートをご覧になれば、どんなアカウントでもトレンドに乗ろうと思えば乗れるということが伝わりましたでしょうか。

もちろん多くのカレーを出しているお店も、乗っかったツイートをしていました。でも大手でも乗っていないアカウントも少なくありません。カレーを出していたり、カレー関連の商品を出してるのに乗っかっていないのは、機会損失とも言えますね。

ウェブサイトで1月22日カレーの日に乗ったコンテンツを作っているのに、ソーシャルメディアでの展開が上手くなく、あまり有効ではない施策もいくつか見かけました。一般のユーザーが、カレーの日を検索する確率はとても低いです。Googleトレンドで調べれば、前年までの検索傾向を調べることが出来ます。



トレンドに乗ることのメリットは



こういう風にトレンドに乗ることを推奨すると、企業のマーケティングとして意味がないとおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。取り上げたツイートは、直接的にECサイトに飛んだり、クーポンになっていて費用対効果が可視化されるわけではありません。
でも考えてみてください。キングジムさんは関係のないツイートでも、ここまでエンゲージメントするだけの存在になっているということです。もしこれがキングジムではなく、その競合社にポジションが入れ替わっていたらどうでしょう。
覚えてもらう手がかり、手段。好感を持ってもらう手がかり、手段。それがあるのとないのとでは、どれほどの差があるか。ECサイトなら、なおさらです。

自社の商品やサービスを買ってくれる人は、日々入れ替わっていますよね。それと同様にソーシャルメディア上のファンやファロワーも入れ替わっています。
『インフルエンサーって、誰?』 - ツイッターで、トレンドに乗るとはこういうこと (2)に書いたことと重なりますが、ユーザーは似た人たちとつながっていて、自らもフィルターバブルで覆っている。
同質的なクラスタの壁を飛び越え入っていくには、トルネード的な現象が必要。そしてトルネードが起こるのは、インフルエンサーの介在するか、あるいはトレンドに乗ることが必要だと考えています。


Facebookではアルゴリズムの変更で、普通にやっているだけでは[いいね!]してくれたファンのニュースフィールドにさえ、表示されにくくなっています。これからも、どんどん進むでしょう。従来からのファンを大切にしようとしても、そう上手くは行きません。
Twitterではフォローしてくれていても、スマホからならタイムラインで見てもらえる確率はそもそも低いです。それで今までは、インプレッション(ツイートを見られた回数)をメインに書いていたのですが、今回はエンゲージメントに着目してみたいと思います。


トレンドに乗ると、エンゲージメントが増加する傾向に?



Twitterの定義では、エンゲージメントはこうなります。


Twitterアナリティクスの画面から撮ったものですが、使い方はこちらを参照してみてください。
誰でも使える[Twitterアナリティクス]は、実践的に活用できる優れもの
簡単に書くと、ユーザーがそのツイートを見て何かのアクションをしたことがエンゲージメントですね。

こちらを見てください。あるトレンドに乗ったツイートの、Twitterアナリティクスの詳細です。

インプレッションが2万回を超えています。ひとつのツイートで、大きな数字です。
右の真ん中に[ユーザープロフィールのクリック数]が179回と出ています。複数回じゃなければ、179人がプロフィールページに来てくれたということですね。プロフィールページとは文字通りプロフィールや今までのツイートを見ることのできるページです。ということは、ほぼ今までTwitter上では接点のなかった人たちだと考えていいのではないでしょうか。
リツイートとお気に入り数は消しましたが、フォローを見てください。3人です。いや、このときは20名以上がフォローしてくれたと思います。この3という数字は、「ユーザーがツイートから直接フォローした回数」ということです。
つまり他のツイートも見てくれた後で、プロフィールページなどからフォローしてくれた回数は出てきません。

左下の方にTwitter広告に登録と書いてありますが、その上に[1843回のエンゲージメントを獲得しています]と書いてあります。ざっくりだと1843回の反応をしてくれているということです。
先ほどのフォローが、直接の数字だけですから、この数字もかなり低く出ています。というのもwitterがアナリティクスを無料で公開しているのは、Twitter広告を出してもらうため。反応が良かったツイートは、Twitter広告としてもそのまま使えますよ。いい反応があるはずです。ということだと思います。実はその広告が、不思議な課金システムになっているのです。
課金はインプレッションではなく、エンゲージメントの回数分。そしてそのエンゲージメントは、一次分だけだと書いてあります。
Yahoo!が代理店になっているTwitterプロモ商品の説明ページです。コスト・パー・エンゲージメント(CPE)方式の方には明記されています。

課金のタイミングは、最初にエンゲージメントが発生したときのみで、それ以降のエンゲージメントは課金されません(無料で拡散されます)。

ということですから、 Twitterアナリティクスに出てくる数字はたぶんこの最初のエンゲージメントだけの可能性が高いのではないでしょうか。
フォロワーのAさんがリツイートした。そのAさんのリツイートを見て、AさんのフォロワーのBさんがさらにリツイートした。Bさんのリツイートはカウントされないのだろうな。数字は実態よりもかなり控えめだろう、と私は判断しています。

トレンドに乗って、リツイートされたり検索されれば、インプレッションが上がりますし、それはそのままエンゲージメントの増加につながるというのは自然な流れです。
他のトレンドに乗ったツイートでも、同様の傾向です。
もちろん自分がやった範囲ですし、少ないサンプル数の定性的なものですから、必ずとは言えませんが。




 株式会社イグジィット ウェブサイト

2015年1月16日金曜日

写真の加工や合成は、どこまで許される? どのぐらいが適正なのか?


広告などに使われる写真の合成は、どこまで行くのでしょうか。かつては化粧品の広告に登場するモデルの毛穴がないことが話題になったりしましたが、今ではどんな広告写真に登場する俳優やタレント、お笑い芸人の顔まで、ほぼ毛穴がなくなっています。

先日もクライアントの担当者と打ち合わせしていて、それはあり得ない設定だから技術的には可能だけれども、やらないほうがいいと思いますとお話しして。じゃあ、どこまでが許されるのか、“あり”なのかということになりました。
私自身の中には明確な基準がありますが、でもそれは個人の感覚。職業的な知識もありますし、訓練されているところもあります。一説には色の識別能力は30歳を過ぎると、何もトレーニングしていないとどんどん落ちていくとか。

作りたいイメージ、誰に向かってアピールしたいのかということと、その完成度。そして倫理的な側面があります。
プリクラがありなら、世の中的にはなんでもありになっているとは思います(笑)


写したものがリアリティがあって、合成したものがリアルじゃないとは限らない


写真はライティングでも、大きく変わります。すべてのものが写るとは限りません。良くも悪くも写真が、肉眼で見たときのイメージとは異なっているという経験は、誰しもありますよね。
実際に画像で、順をおって見ていきましょう。
ステーキを焼いている写真です。



A. 焼かれて肉汁が飛び跳ね、煙もけっこう出ています。炎まであがっています。じゅーじゅーという音が聞こえてきそうです。
網焼きで火が出るということは、脂が燃えているんでしょうか。脂を落としたいときに、網焼きにするんじゃなかったでしたっけ。



B. 炎が消えています。ない方が、違和感ないですね。



C. 煙がずいぶん少なくなりました。肉汁なのか脂なのか、跳ねていたり、鉄の上を汚していたのが消えました。



D. 肉の量が減りました。厚みが6割ぐらいになったような…
そうです、D.がオリジナルの写真です。

あなたは、どれが適切な写真だと思いますか?
合成していることがわからなくても、料理に詳しい人なら、ヘンだなと思われたかもしれません。

この場合なら、オリジナル写真以外はありえないと思います。肉を増量させているのは、まるで詐欺ですね。私がやりました(笑)
煙を足したり、少し跳ねや汚れを加えてもいいとは思いますが、網焼きなので、ほんの少しあるぐらいが適切だと思います。おいしそうに感じてもらえるシズル感の演出は、それぐらいでしょう。



ただ跳ねや煙はライティングによって、写らなかったりします。背景が黒っぽくないと、なかなか難しいでしょうね。湯気も同様です。
かつては薬品などが使われていましたが、いまは合成で簡単です。簡単だから、ついやり過ぎてしまっているものを見かけることが多くなりました。


どんなのがリアルな肌なんでしょう


アプリやウェブサービスなどで、驚くほど簡単に写真の加工ができるようになりました。その多くは加工しましたということが一目瞭然ですので、リアルなものなのかどうか紛らわしいということは、まずなくなりました。

最初に書いたように、広告に登場する著名人の顔から毛穴がなくなっています。その多くは加工ですが、そうではない人も増えています。
テレビに出ている人たちは、地上波デジタルになってから高解像度でアップが放送されることへの自衛かもしれませんが、医療機関でスキンケア治療を受けている人が多くなっているそうです。フォトフェイシャルというマシンを使うと、毛穴が小さくなったり、ヒゲが生えてこなくなったりするそうです。

だからテレビで顔のアップになっても、つるんとした顔の人が増えているのかもしれません。あながち写真が美肌なのは、加工ばかりではないようです。
アナウンサーから俳優、政治家から芸人まで、ヒゲのないのは不自然だと思うのですが、このへんの感覚は、日々見ていると、どんどん変わってくるのかもしれません。


詳しい人は敏感にチェックし、チェックする人は増え続ける


以前は整形していると、造りもの。と言われたりしましたが、基準をどこに置けばいいのでしょう。

整形に詳しい人たちは、芸能人ばかりではなく、友だち同士でも「やってる」「やっていない」というチェックが、会話の中で飛び交うと言います。同様に、写真の合成や加工に関しても、詳しい人たちはチェックしているのです。
チェックできるほど詳しい人が多いかどうかですが、ふたつの理由で増え続けると考えています。
インターネット、特にSNS人口が増えてきて、写真を投稿する人が増えています。写真がメインのSNSも増え、アプリやウェブサービスなどで加工する人だって増え続けています。合成しようとすれば高価なPhotoshopなどが必要でしたが、ソーシャルメディアに投稿する程度のハメコミ合成ぐらいならアプリで出来てしまいます。
少なくともそういう合成のプロセスを知っている人が増えているのが、今。この先どんな高度なことができるサービスが無料、あるいは安価な手段で出来るかもしれません。たぶん、できるでしょう。

そして失敗作、リアリティのない合成を見つけると、ソーシャルメディアで共有される。プロだって、発信してしまう時代になっていますよね。
YouTubeには世界のPhotoshop職人の「やっちゃった」画像を集めた動画が、数多くアップロードされています。

だから私は、詳しい人目線を基準にして、合成や加工をすることが当然だと思っています。さらに言えば、触らなくてすむ写真を撮るのがベストですね。


※写真に関する投稿
SNSで使える生写真の撮り方

※光と影に関する投稿
平たい顔族の、『陰翳礼賛』の行方


※ステーキの写真は、こちらのものを使用しました。





バナー:ウェブ、グラフィック、そしてソーシャルなつながりをデザインする制作会社です


2015年1月6日火曜日

【Twitter】年末年始は逆張りというよりも、スイートスポットなのに


今までにも『年末年始にSNSをやったら、こうだった』『ゴールデンウィークにSNSをやったら、こうだった』『お盆にSNSをやったら、こうだった』と、1年間の大きな休日のタイミングについて書いています。だけど読み返してみると、なんかややこしい。
今回は、年末年始にソーシャルメディアを運用するのは楽に成果を上げられてお得ですよというところをポイントに、そしてツイッターを中心に書いてみます。


12月29日からは、ほとんどの企業アカウントが沈黙


私の知る限り、ソーシャルメディアの運用に熱心な企業でも、27日から激減し30日以降はほぼゼロになっていたようでした。投稿が続いているのはECモールぐらい。それもただ投稿されているだけでしたので、予約投稿かと思います。
年末年始の投稿は、ほぼ予約投稿だと考えられます。というもの、友達やフォロワーからのコメントに対して無反応ですから。


キャリアは「あけおめことよろ」ピーク時の通信規制


通信キャリア各社は、元旦午前0時から1時間から2時間程度「なるべくお控えください」とのお願いをお知らせという形で出していました。LINEも通信キャリアの負担を軽減するため、「なるべくWi-Fi接続でご利用いただくようお願い致します」との【ご協力のお願い】を出していました。

企業アカウントは、なかなかそのタイミングで予約ツイートするわけにはいきません。見ていると、Facebookでも元旦朝8時やお昼頃が多かったように思います。
午前0時からの次は、朝から午前中が多くの人々がアクティブになっていると考えたのでしょうか。私は予想してもしょうがないと思っていましたし、何度か書いているように予約投稿は意味がないし危険だと考えていますので、自分がしばらく集中してやれるタイミングでツイートしました。通信キャリアの制限がかからない時間帯になって、すぐでした。

それが、こちら。【Twitterアナリティクス】の詳細画面です。




深夜で、しかも単純な「あけおめツイート」にもかかわらず、インプレッション、エンゲージメントともにそれなりの成果をあげています。投稿してから1時間を経過しても1,000程度のインプレッションがありますし、午後になっても1時間あたり100程度はあります。

リツイートされているからという理由も大きいですが、どうもそれだけではなさそうです。


クリスマス週と比較すると、インプレッションは約132%に


クリスマス週を12月21日から27日、その後の28日から1月3日までを年末年始の週とするとします。このアカウントでは、年末年始の週に、新製品の発売やキャンペーンなどお得な情報は何もありませんでした。おもしろツイートをしたわけではありませんし、ツイート数はそれほど変わりませんが、若干減っています。
それでも一週間のインプレッションを合計すると、クリスマス週が120,376、年末年始週が158,925と30%以上増えています。

これは、どういうことでしょうか。


アクティブユーザーも減少するが、それ以上に投稿も減少している


あくまでも主観でしかありませんが、年末年始には「あけおめことよろ」以外でログインしているユーザーも激減するが、ツイートする人もツイート数もそれ以上に減少している。そんな中で、変わらずツイートして、コミュニケーションもしているアカウントがあれば、目立っていて当然。
というのが、私の解釈です。


ひとつのツイートに興味を持つと、遡って見てくれる可能性が高くなる


以前に『【Twitter】最大瞬間風速を記録したのは、ストーリーのある三連投でした』という記事を書きました。短時間の連投ですから、興味を持ってもらえたら、ほぼ確実に見てもらえる。タイムラインを流れていってしまう可能性が低いというものです。


この年末年始の投稿のアナリティクスを見てください。




6時間以上たってもまだ見られていますし、10数時間たっても見られています。それにしても時間が長い。長く保っている。お得な情報でもなんでもないですし、連投するときのような気合いの入った準備もしていません。(もっとも拡散のレベルは、かなり違いますが)

実は【Twitterアナリティクス】を何度か見ていると、三連投をしたときと同じような現象が起こっていたのです。リツイートされて、あとからプロフィールページを見てもらえたのでしょう。複数のツイートのインプレッションの数字が、じわじわと上がってくる。つまりひとつのツイートを見ると、他のツイートも見てもらえたということだと思います。



一様ではないライフスタイルにも届く


また仮説でしかありませんが、アクティブユーザーが激減してる中で、上のツイートでは13回しかリツイートされていないのに、インプレッション数もその時間の長さも通常の展開とは異なっています。(例えば平日の深夜3時にツイートして、アナリティクスをチェックしてみてください)

これに関して、普段あまり届いていない人にも届きやすくなっているのではないだろうかと考えています。
年末年始、これだけ多くの商業施設が営業しているのですから、働いている人だってそれだけ多くなっている。帰省しない人やひとりで過ごす人だって、少なくないはずです。
ソーシャルメディアはマスではなく、多様なライフスタイル、多様なクラスタで考えることが大前提です。もちろん届くだけでは意味ないですが、とりあえず届かなければ何も始まりません。



こんなお得なタイミングは、1年のうちに、そうないと思います。
これこそ手法じゃなくて、タイミングです。