2015年11月24日火曜日

映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のタイアップは、どこまで広がるんだろう



劇場公開まで1ヵ月を切った『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。テレビではタイアップCMが流れ、コンビニに行けばタイアップ商品のコーナーが出来ていたり、今までにないタイアップ攻勢をかけているスター・ウォーズ。
あまりに多すぎて、それほど知られてなさそうなタイアップや、意外なコラボもありますのでご紹介してみます。そもそもウォルトディズニー・ジャパンが10月4日に発表している公式日本でのタイアップ企業は9社なのです。 


『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』ディズニー史上空前のプロモーション展開 


テレビコマーシャルなどウォルトディズニー・ジャパン(WDJ)が単独で行っているプロモーションは大作映画並だと思いますが、とにかくタイアップがものすごい。WDJがプレスリリースで「ディズニー史上空前のプロモーション」と書いているほどです。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』 タイアップ・パートナー決定!

これには9大メジャーブランドと書いてありますが、これ以外に強力なパートナーが出てきました。



Googleが、スター・ウォーズ ファンのための場所を制作


Googleのプロダクト・マネジメント担当副社長 が11月23日、公式ブログで『スター・ウォーズ ファンの皆さんへ』をポストしました。

google.com/starwarsにアクセスすると、下の画像が現れます。そしてライトサイドかダークサイドを選ぶと、「Gmail、Google マップ、YouTube、 Chromeなど、たくさんのGoogleのアプリがあなたの選んだサイドに変わっていく」というのです。



やってみましたが、すぐに変わったのはG-mail。メールの読み込みがライトサーベルに変わり、背景がライトサイトの画像になりました。
[よくある質問]によると「サイドを選択した後、すべてのアプリ内部でフォースが覚醒するのに数時間かかる場合があります」ということですし、公式ブログには
これはほんの始まりにすぎません。今日から映画公開までの間、他にもたくさんの仕掛けを準備しています。「イースター エッグ」もいくつか忍ばせました。内なるフォースを覚醒させて、遠い昔、はるか彼方の銀河系の物語から生まれた “もの” たちをぜひ探してみてください。フォースと共にあらんことを
と書いてあります。
どう変化して行くのか、楽しみですね。




スター・ウォーズの本格ジュエリーに、新キャラクター「BB-8」も登場


ケイウノというジュエリーブランドは、以前からスター・ウォーズキャラクターのアクセサリーを作っています。プロモーションではありませんが、今月11月9日にスター・ウォーズアクセサリーの第二弾を販売開始。
新キャラクター「BB-8」のネックレスも登場しています。
スター・ウォーズジュエリー





UGGオーストラリアは、Darth Vader Limited Edition Collection


UGGは今年の5月から「スターウォーズ バイ アグ」を、一部店舗と公式オンラインショップで販売。テーマはダースベーダーで、黒のみ。ラベルにシリアルナンバーやストーリーのフレーズが入るが入るそうですよ。
UGG STAR-WARS





南海電鉄は、スター・ウォーズ特別仕様の銀河系特急ラピートを投入


ウォルトディズニー・ジャパンのニュースリリースで、タイアップパートナーとして告知されている南海電鉄。でも特別仕様の特急ラピートについては、Facebookで一度投稿しているだけ。11月21日から運行開始なので、メディアからの動画の露出が少ないのかなと思っていたら、一般の方がYouTubeで続々公開されています。南海電鉄が発信しなくても、どんどん投稿されそうですね。
記念の特急券引換券も発売されているそうですよ。




日本HPからは、帝国軍御用達仕様の1000台限定ノートブックが発売


HPは日本だけではなく、世界中で発売しているようです。公式オンラインで先攻発売され、今月下旬からは量販店でも販売されるということらしいのですが、外観は戦闘で傷ついたようなバトルパターンが施され、レッドカラーキーボートなどハードな印象。
40年近いスター・ウォーズの歴史を辿ることができる画像や通常のWindowsシステム音の代わりに、R2-D2の声やライトセーバー音などの通知音が使えるそうです。
Star Wars™ Special Edition Notebook




西武・そごうでは、クリスマスがスター・ウォーズ一色に?


どうして百貨店のクリスマス商戦がスター・ウォーズになるんだろうと少し疑問ですが、西武・そごうは徹底しています。実質的な力の入れ方では、他のコラボをはるかに上回っているようです。
12月25日までハイヒールからバックパック、Tシャツ、スイーツからクリスマスケーキまで、スター・ウォーズ商品が141ブランド929 型352,000点で、そのうち自主開発など「そごう・西武発スター・ウォーズ限定商品」が19ブランド101型30,000点も投入されるというのですから。
プレスリリース

さらにそごう横浜店では、スター・ウォーズ展やSTAR WARS caféがオープン。カフェメニューはリストしかありませんが、ジャバ・ザ・ハットをイメージした『ジャバジャバ・スイートポテト』スムージーなんていう恐ろしげなドリンクも。

これだけネタがあるのに、西武・そごうではFacebookで「なりきりスター・ウォーズマスク」プレゼントについて、一度投稿しているだけです。従来とは違う層を呼び込めそうなのに、かなり、もったいないです。
西武・そごうのクリスマス

一番上のSTAR WARSロゴの写真は、渋谷西武のショーウィンドウ。C3P0、R2D2、チューバッカに見立てたクリスマスパーティー風のディスプレイになっています。





帽子や雑貨のFish Born Chipsから、オシャレなコラボアイテムも


Fish Born Chipsは小規模なブランドだと思うのですが、ここから帽子やアクセサリーなのどコラボデザインものが発売されています。
ラフォーレ原宿のリミテッドショップでの販売は、すでに終了。そごう横浜店でのスター・ウォーズ展で販売されるほか、オンラインでも受け付けるみたいですよ。
「STAR WARS (スター・ウォーズ)」のアイテムから第二弾






トルーパーの日常が出回ってるのは、なぜ?


タイアップではないと思いますが、surfingtrooperというページがあります。InstagramにもFacebookにもあります。それほど拡散はしていませんが、Facebookではさまざまなスター・ウォーズ関連のトピックを投稿していますし、写真を見るとウォルトディズニーの協力なしでは不可能なんじゃないかと思うのですが、どうなんでしょうね。





それにしても『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のタイアップは、あらゆるところで目にするように仕掛けられていますよね。スター・ウォーズマニアはもちろん、それほど興味のないクラスタにまで届いて、話題になりそうです。
ウォルトディズニーはタイアッププロモーションを通じて、イメージは多少ブレても、広がるように仕掛けているように思えます。



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2015年11月18日水曜日

シェイクシャックとジャイロボードが、ソーシャルメディアから来る予感


http://www.shakeshack.jp


ニューヨーク発、世界10カ国で展開するハンバーガーチェーン『シェイクシャック』が11月13日にオープンしました。場所は外苑前のイチョウ並木、明治神宮外苑テニスクラブに隣接しているそうですから、とんでもなくリッチそう。マディソンスクエアパークにある自然豊かなシェイクシャック1号店を、引き継ぐような雰囲気ですね。
オープンには徹夜組も含め、400人が並んだとか。

私はいくつものネットメディアで読んでいましたので、それなりに話題性があるのも知っていました。運営しているのはスターバックスを日本で成功させたサザビーリーグですから、パブリシティがあらゆるジャンルのネットメディアで行われていたようです。


シェイクシャックは、ソーシャルメディアの話題をコントロール


それだけではなく、公式のソーシャルメディアアカウントも9月1日2日に開設されています。2ヵ月以上前からSNSで発信するなんて、なかなかありません。
また公式サイトでは[FANS]というリンクがあり、クリックするとサイト内に現在のFacebook、Twitter、Instagramの投稿が出てきます。

もっともFacebookはいいね!1861件、Twitterはフォロワー925人、Instagramはフォロワー3160人ですから、まったく大したことないのですが、これでいいのだと思います。Instagramには「キレイに撮ってね」と書かれていますし、Twitterにも似たようなツイートがあります。
エゴサーチしてRTやコメント付きのリツイートをしていますが、厳選しているのでしょう。オシャレなイメージを発信していますし、メニューだけではなく、ライフスタイルの一部として受け入れられたいのだと思います。
トートバックを作ったり、オープン前の応募で自転車をプレゼントしたりしています。


Facebookにも投稿されていますが、 応募はInstagramからです。
投稿自体もっとも活発なのは、やはりTwitterです。アクティブサポートではないですが、かなり絡んでいます。ただ個別のコミュニケーションだけで、大勢にリーチさせようとはしていないみたいですね。


公式サイトのInstagramのところには、#shakeshackjpnと#shackfanが書いてあるのですが、日本でやっているのは前者だと思います。
TwitterとInstagramで、渡辺直美さんと横澤夏子さんから、こんな投稿があります。




これパブリシティじゃなく、ふたりが本当に行列に並んで投稿したのかなと、ちょっと?が付きますが、こういう内容ならステマかどうかなんて関係なくなりますね(笑)
ちなみにローラさんは、オープン前に差し入れされたようです。



前に「テレビにあまり出ていないアイドルユニットは、すさまじい」「テレビにあまり出ていないお笑いタレントは、乗っかってくれる」なんて書いていますけど、言うまでもなく渡辺直美さんやローラさんは、とんでもないインフルエンサーです。
横澤夏子さんだって、売れて来たところで、ちょうど発信してくれるインフルエンサーとして旬かもしれないです。


いまのところ話題性は十分。だけど問題は、このあと。立地、メニュー、雰囲気、価格帯からして外苑前の1号店大人向けで、中高校生は来なさそうです。
話題性を続けるには、リーチの大きさじゃなくて#shackfanのように、コアなファンが勝手に発信し続けてくれるかどうかにかかっていそうですね。



ソーシャルメディアの話題で、これから売れそうなジャイロボード


私が初めて街中で見かけて、なんだろうと投稿したのは10月8日でした。それから2度、渋谷で目撃しました。




その後、Twitterで見かけて「ジャイロボード」という名称を知りました。いろいろ検索してみると、ソーシャルメディアでニッチな話題になっています。まさにコアなファンが生まれているようですし、投稿しやすい、しかも動画で出したくなる素材です。

shnさん(@_terashun_)が投稿した動画 -


そもそも有名人ではジャスティン・ビーバーが最初にInstagramに投稿したようですが、彼のファンだと手が届きにくい価格帯かもしれません。

私は話題性もさることながら、売りにまでつながっているのは、Skrillexの投稿だと思っています。
スクリレックスはダブステップと呼ばれるジャンルのアーティスト/DJです。EDM(Electronic Dance Musicの略)で最も売れているアーティストのひとりだと言われています。ダブステップやEDMって何?という方は、流行のダンスミュージックだと思ってください。

聴いているのはざっくりパーティピポーだと言っても、そんなに間違ってない。いや、でもEDMファンからは怒られるかもしれません(笑) 
フェスやクラブで踊ってるだけじゃなく、ファッションやメイクまで含めた自由な新しいユースカルチャーです。EDMは音楽だけではなく、周辺カルチャーも牽引する一大産業になっています。Forbesでさえ、こんな記事を書くほどですから。
世界で最も稼ぐDJ  “テイラー・スウィフトの恋人”が1位に

EDMの中心的存在であるスクリレックスは、ソーシャルメディアでも盛んに発信しています。スケボーをしている写真も多いのですが、その彼がジャイロボードでステージを動き回る写真やバックステージでの動画を投稿したのです。

skrillexさん(@skrillex)が投稿した写真 -

skrillexさん(@skrillex)が投稿した動画 -


ジャイロボードに関する話題が、現在どれぐらいTwitterやFacebookで投稿されているか、Yahoo!リアルタイム検索で調べてみました。


ご覧の通り、かなり少ないです。シェイクシャックと二桁違う投稿数です。でもシェイクシャックはこのあと二号店出店や新メニューが出たり、何か仕掛けなければなだらかに下降して行くだけかと思います。でもジャイロボードは、あくまでも想像ですが、徐々に上昇していくトレンドになりそうです。
投稿は少ないながらも、ポジティブな投稿だと買いたい、乗りたいがほとんど。ネガティブなものは、高いというものです。そう、高い。ざっと5万5千円から8万円といったところでしょうか。iPhoneじゃあるまいし、実用的なツールでもないものにやすやすと出せる金額ではありません。※公道では乗れません。
ところが私は逆に高くて非実用的で、まださほど知名度がないことが、マニアックな人たちの購買意欲をそそり、ソーシャルメディアの投稿ネタとしてだんぜん使えると思うのです。

売っているのはどこだと調べてみたら、渋谷にあるCANDY / FAKE TOKYO。かなり特異なストリート系のセレクトショップです。その店内で試乗もできるというツイートも出ています。


それほど拡散していませんが、オンラインショップではさらに柄物3色も出て、サイバー系のEDMからヒップホップのアーティスまで使いそうだ。そう思っていたら、TKO木下さんがTwitterで、11月15日にツイート。

そのジャイロボードを、こんどは中村アンさんがInstagramで動画で投稿。



これは予想以上に幅広い層にウケそう。
やっぱり、来ちゃいそうですね。


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2015年11月13日金曜日

Facebookが、いろいろヤバイことになってるかもしれない








最近フェイスブックで「知り合いかも」に妹が出てきたので驚きました。妹は結婚して、姓が変わっています。ソーシャルメディアでつながるなんてことはなく、フェイスブックに共通の友だちがいるわけでもありません。
想像すると、その数日前に妹から、大きな画像データを送りたいからパソコンで使っているメールアドレスを教えてくれと言われ、教えて二度ほどやりとりしたことです。それ以前はケータイのキャリアメールでしかやりとりしていません。



実名のFacebookは私にとって、基本的なスタンスは仕事ですから(Facebookページの運用などをしています)、あまり血縁関係や婚姻関係、それに趣味のつながりで友だちになって連絡ツール化しても困ったことになります。

その趣味のつながりでも「知り合いかも」に何度も出てきた人がいるので、ははぁー、私のことを頻繁にチェックしてるなと思い、友だちリクエストを送りました。後日お会いしたときに「見てたでしょ?」と尋ねると、見ていないということでした。
考えてみればGoogle + でつながっているので、わざわざFacebookでチェックする必要はありません。Google + ではいろいろコミュニティに入っています。それでFacebookより断然、投稿している回数が多いのです。
Google +も基本的には仕事ですが、趣味やその中でしか交流していない人も大勢いて、さまざまな役割に使っていますし、完全にオープンです。

ということは、FacebookはFacebookとは関係のないメールのやりとりを読んでる? G-mailじゃあるまいし、まさか、です。

 
ベルギーのデータ保護監視当局がFacebookに対して起こした裁判で、毎日26万8000ドルを払うという判決が出たそうです。
具体的な訴件は、Teckcrunchによるとこう書かれています。

ユーザとFacebookのユーザでない者のインターネット上の活動を追跡するやり方(の違法性)だ。起訴の時点でベルギーのDPAは、ノンユーザの追跡方法と集めたデータをどうしているか、に関する質問にFacebookが答えなかったことを、起訴に踏み切った理由として挙げている。
ノンユーザをクッキーで追跡しているFacebookがベルギーで毎日26万8000ドルを払う罰金刑に直面

これはクッキーの話なのでメールとは関係ありませんが、裁判所でもFacebookが「追跡方法と集めたデータをどうしているか」について答えなかったのだとしたら、ちょっと引っかかりますね。



Facebookがオープンにしている「知り合いかも」の仕組みは


仕事で使っている以上、どういう仕組みなのか調べておく必要があります。ヘルプページの[知り合いかも?]についてには、こう書かれています。



ここに「インポートした連絡先」と書かれていますが、妹はインポートしてないということでした。そもそも登録しただけのようです。

友達、職歴・学歴、所属しているネットワークでも接点はありません。私は、先に書いたような理由でプロフィールに職歴や学歴もまったく書いていません。過去につながりがあったということになると、膨大な知り合いの数になってしまいます。
帰宅する電車の中で、知り合いに遭遇してしまうことが少なからずあるのですが、おちおち寝てもいられません。よだれでも垂らしていたら、大変です(笑)

横道にそれましたが、だから接点はメールのやりとりしか、ないはずなんです。



アドテクを駆使するFacebookのプッシュメール


以前から、例えばアマゾンで見た商品の広告がFacebookに出てくるということはありました。これはアマゾンのリマーケティングで、Facebookに広告を出しているのだと思います。ユーザーからすれば、広告が追いかけてくる仕組みですね。

それ以外のFacebookに出てくる広告はどうでしょうか。アマゾンと同様にクッキーを使ってリマーケティングすることも考えられますが、私は遭遇したことがありません。
でもリマーケティング以上に、他のどこよりFacebookに優位性があるのが、ターゲティング。ユーザーが自ら進んで名前、誕生日、職歴や学歴、電話番号などデモグラフィック以上の個人情報を登録していますし、好きなこと、興味のあることは「いいね!」すればもちろんのこと、他の投稿より長く見ているかどうかの履歴も蓄積されているはずです。
つまりクッキーに頼らない、どこよりも精度の高いターゲティングが可能なはずです。

そうは言っても、個人的にはこれはという広告が現れたことがありません。しかし先日Facebookから来たメールを見て、本当に驚きました。
こういうものです。



どう考えても森美術館の投稿に「いいね!」した記憶がない。もし森美術館の投稿が私のタイムラインに現れたのだとすれば、それは広告。Facebook広告のターゲティングからすれば、私のニュースフィールドに森美術館の投稿が出てきても不思議ではないですが、仮にそうだとしても、投稿に「いいね!」したからって、Facebookページへの「いいね!」を促す仕組みがある。そうなら、Facebook広告のオプションということなのでしょう。


でも私の記憶では違うのです。ボケいたりする可能性もなくはないのですが(笑)
私はタイムラインに現れたあるウェブメディアの「村上隆の五百羅漢図展」を紹介する記事の投稿に「いいね!」しました。「村上隆の五百羅漢図展」を開催しているのが森美術館なのです。
私の記憶が正しければ、この仕組みはちょっとなぁです。美術展のことだから、ぼんやりとしているかもしれません。

仮に私のタイムラインに現れたウェブメディアの記事が、パナソニックの最新の洗濯機だったとします。その投稿に「いいね!」しました。すると後日、Facebookからメールが来て「パナソニックの投稿にいいね!しました。私たちのページにいいね!して、つながりませんか? よろしくお願いします。パナソニック」と書かれていたら。

あるいはパナソニックではなく、ビックカメラだったら。「ビックカメラの投稿にいいね!しました。私たちのページにいいね!して、つながりませんか? よろしくお願いします。ビックカメラ」という内容で、ビックカメラのFacebookページに行ってみると、「パナソニックの最新洗濯機が、今度の土日まで大特価!」という投稿があり、[購入]ボタンが設置されていたとしたら。

限りなくステマだし、先日も書いている錯誤を狙ったネイティブアドだということになるでしょう。それだけではなく、他のウェブサイトからのリターゲティングではなく、Facebookの内だけでターゲティングから広告、販売まで、かなりのことが完結してしまうということになりかねません。投資家なら、確実に喜ぶところでしょう。



巨大なプラットフォームとなったFacebookは、外にユーザーを出したくない?


ニューズウィーク日本版は、2015年、フェイスブックから主要サイトへのトラフィックが激減したと書いています。
ハフィントンポストへのフェイスブックからのトラフィックは、今年第1四半期~第3四半期に60%も落ち込んだ。Foxニュース、バズフィードも同様で、いずれも同期間に40%以上落ちている。なお、最も落ち込みが急激だったのは今年の初めだ。
フェイスブック社はDigidayに対し、「ウェブメディア全体へのトラフィックを減らしている」ことを否定している。ただし、具体的な数字を挙げて反論したわけではない。
これは一体、何を意味するのだろうか。

Facebookが方針を変更したということでしょう。今年、Facebookに投稿されたリンクからどれぐらいの時間でユーザーが戻ってくるか。リンク先が投稿と関係のない偽のものだったりすると、すぐに戻ってくるはずだ。そういう時間によって、どうタイムラインに表示させるかということをやっていたはずですが、どうもニューズウィークの記事を読んでいると、質に関係なさそうな気がします。


企業が使うFacebookページのリーチが激減しているという話も、あちこちで聞きます。その理由は、なによりエッジランクの導入と、Facebook広告の増加。私の解釈は、こうです。
【Facebook】のインサイトは、まず競合をチェックすることから

しかしそれだけではなく、Facebookの仕組みが今回書いたように変化しているとしたら、どうもユーザーも広告も販売も、Facebook内に取り込んでしまえという動きが急加速しているのかもしれません。



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2015年11月6日金曜日

渋谷から消えた行列は、どこへ行ったんだろう


iPhone 6sが発売になった9月25日の朝、アップルストア渋谷では恒例行事のようになっていた行列はありませんでした。9月上旬からの予約販売に切り替えたからですね。



iPhone 6発売の前夜や当日を見ていると、アップルストアだってもう行列を続けさせるわけにはいかないだろうと思いました。
そのときの様子を書いています。
行列までして、買ってくれる理由 - 6


渋谷では、行列を見かけることが少なくなりました。小さな行列は毎日のように見ることができますが、何が起こってるんだというような行列はセールや新規オープンを除き、ほとんどなくなってしまったようです。

いままで恒例行事のように行列があった店といえば、代表はSupremeとH&Mではないかと思います。行列は、どうなっているでしょうか。


Supremeは、コラボアイテムが出るたびに大行列



Supreme(シュプリーム)は、ニューヨークで生まれたスケーターのためのファッションブランドとされています。広告ではニール・ヤングやルー・リード、レディー・ガガやケイトモス、それにマイク・タイソンまで起用していますので、スケーター限定のイメージはありません。ストリート系のTOPブランドと言った方が、良さそうです。

昨年まではSupremeが新作を出すたび、なによりコラボアイテムが出るたびに、大変な行列というよりも、パニックに近いような状況になっていました。
昨年は、夜の10時ぐらいに渋谷店の前から公園通りにかけて、大勢の人たちが詰めかけている状況を目撃しました。これはさすがにマズイだろと思っていたら、そのあとに警察がやってきたそうです。

ところが今年、それほどの行列を見ないのです。今年は3月にアンダーカバーとコラボアイテムが出て、前日夜から行列がありましたが、比較的整然としていました。

先月にはマイケル・ジョーダンブランドとのコラボアイテムが出ました。Supreme x NIKE AirJordan 5はアンダーカバーどころじゃない話題性なので大変なことになるかもと思っていたのですが、発売前日の朝には公園通りに30人ほどが、ラインに沿って整然と並んでいる程度。しかも警備会社らしき人たちがついていました。そして午後には行列自体がなくなっていました。
あれ、どうして消えたんだろ。整理券を配ったのか、それとも代々木公園の方に並ばせたのかなと想像していました。

コラボのAirJordan 5は公式オンラインストアでも販売されましたが、直営店以外ではドーバーストリートマーケット ギンザでも販売されたそうです。コラボアイテムで行列といえばドーバーですが、どうも行列が予想されるときは整理券がウェブ抽選になって、当選者にはメールが届くという方式になったそうです。

ただTwitterでは、深夜に「予定人数を超えた為、現在お並び頂けません」と書かれたSupreme原宿店の貼紙を撮影した写真をツイートしている人もいますので、行列があったのかもしれません。


Supremeからの仕掛けは、ほとんど見当たらない


Supreme x NIKE AirJordan 5が発売されるという噂は、7月にリーク画像が出回ったことから始まり、日本ではその後、10月にファッション誌で記事広告らしきものが出ています。
Supremeからは、Instagramで次々と投稿されています。


でもそのぐらいで、後はブログやソーシャルメディアなどで出回っているだけです。


ところでSupremeの行列は、転売目的の人が多いから混乱するのだと、ずっと言われてきました。私は聞くたびに、そうなのかな。並んでる人たちの多くは、Supremeのロゴが入った服を着ているし、好きなんじゃないのと思っていました。

AirJordan 5はどうでしょう。ヤフオクで調べてみました。
「AIR JORDAN 5  Supreme」で検索すると、約756件と出てきました(11月6日夕方の時点で)。落札相場をクリックすると、59,000円 65,000円 70,000円という金額が出てきますので驚きますが、出品のすべてが日本国内の転売ではなさそうです。海外のSupremeから仕入れたというショップもあり、転売として多いのかどうか判断がつきません。
ただ落札価格や開始価格が、定価の倍以上となると… 転売目的の人が多いのでしょうか。

仕掛けがほとんどないのに、転売でもなんでもこれだけ人気になるなら、ソーシャルメディア上ではどうでしょう。

Yahoo! リアルタイム検索で調べてみました。
すべてと言っていいくらいTwitterですが、発売日の10月17日は492件、18日は653件というかなりの話題になっています。24時間並んで手に入れた。オンラインで幸運にも手に入れたというツイートもありました。



少なくとも行列は、Twitterに出来ていたんですね。


H&Mは、入店できる時間帯別のリストバンドを配布



H&Mも日本上陸以来、毎年コラボがあるたびに行列になります。Supremeは高い価格帯のままでのコラボですが、H&Mのコラボは、なによりハイブランドのデザインがH&M価格で買えるというのが魅力なんでしょう。
以前から整理券代わりのリストバンドを前日に配布していますが、それでも配布待ちの行列が目立ちます。
昨年の「ALEXANDER WANG x H&M」では、前日の23時過ぎからリストバンドの配布が始まり、朝の8時になくなったそうです。
アレキサンダー・ワン × H&M 発売ライブレポート

前日23時前はとんでもない人の多さですが、渋谷店は巨大なので他店や近隣住民の迷惑になるということはなさそうだと思われます。

昨日11月5日の午後、H&M渋谷店の前を通りがかると、黒地にゴールドでBALMAINと印刷された紙袋を持っている人たちが何人もいました。紙袋を掲げて自撮りしているカップルもいます。


なんだろうと思って検索してみると、BALMAINというフランスのブランドとH&Mがコラボしたアイテムの発売日でした。私はバルマンというブランド自体、聞いたことも見たこともありませんでした。

ファッション系のウェブメディアはどこも、この発売を書いています。早々と「発売まもなく売り切れ相次ぐ」と書いているところもありますが、やはり時間帯別に入れるリストバンドを、配布したそうです。


Yahoo! リアルタイム検索で調べてみました。バルマンで検索すると、11月5日が1535件、6日が1914件というすさまじいことに。
こちらはTwitterで行列というよりも、パニック状態かもしれません。


Supremeとジョーダンコラボの3倍ほどの話題があります。
しかしこちらはポジティブな感情とネガティブな感情のツイート数が近く、11月7日だけ見ると、ネガティブなツイートが上回っています。
どうしてかというと、やはり転売。売り場は戦場だったという人たちもいます。

となにかのんきな書き方をしていますが、H&M原宿店では阿鼻叫喚だったようです。二組目でTシャツすら買えないとか、什器が壊れ、怒号が飛び交う…




そもそもiPhoneだって、最初はAppleファンで新しもの好きのギークな人たちが楽しんで並んでた。
ファッションだって、そのブランドが好きでしょうがないという人たちが並んだはず。ドメスティックブランドは、希少性が高くて好きな人たちが並んだという現象だったと思いますが、ナショナルブランドからコラボアイテムが出てくると、広く興味を持たれる希少性で行列ができ、行列自体が話題になって、さらに知る人が増え、どんどん膨れ上がった。
それと平行して、転売で値が上がっても買う人が増え、さらに国境を越えて転売する人たちも増えていったのかもしれません。かつてのスニーカーブームや裏原宿ブームでも転売はありましたが、それはあくまでマニア内でのこと。


行列は、それ自体が拡散する話題で、宣伝としてもいいし、ブランド力も強化される現象だったと思うのですが、このところはお店側の想定している対策のレベルを超え、ネガティブな評判に振れてきているようです。

そして欲しいのに買えなかった人たちの評判は、ソーシャルメディアでつながっています。今のところは炎上マーケティングのように、売り上げとしてはプラスだと思いますが、そろそろ分水嶺かもしれないですね。



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