2017年1月27日金曜日

[サントリー金麦]マイクロインフルエンサーからの話題の広がり方





サントリー金麦といえば、テレビCMもバンバン打っています。特別ソーシャルメディアを重視しているわけではないでしょうが、インフルエンサーの使い方が上手だなぁと思うのです。
最近はマイクロインフルエンサーという言葉も聞くようになりましたが、上手い使い方だなと思えるブランドは、そんなにありません。ステマもどきのところも、少なくありません。ところがサントリー金麦は、そこのところを上手に拡散し続けているのです。


それでマイクロインフルエンサーって、なに?


アメリカでは10万人100万人というフォロワーを持つ、セレブを使ったインフルエンサーマーケティングが盛んです。100万人というと、どんなジャンルでもビッグスター。ちなみにトランプ新大統領のTwitterフォロワー数は、なんと2200万人!(2017年1月現在) 
ただ膨大なフォロワー数を誇り、莫大な影響力を持っていたからといって、企業とコラボしてどれほどの意味があるでしょうか。

たとえば日本では、渡辺直美さんのインスタフォロワーが600万人に迫る勢いです。もし渡辺直美さんが企業とコラボしたら、その商品は一気に大きなリーチを得るでしょう。でも渡辺直美さんと関係の薄い商品やブランドなら、フォロワーは冷めていくはずです。だからジャンルが限られます。
これはコラボではないようですが、マッチしていますよね。


インフルエンサーといっても、その人が本当に製品やブランド、お店などのファンならフォロワーにも伝わりますが、なかなか難しいはずです。
過去にこんなことも書いています。
『インフルエンサーって、誰?』


マッチしたとしてインフルエンサーに依頼しても、費用が高くつき、エンゲージメントも低調。そこでアメリカでは、マイクロインフルエンサーが注目されているのです。マイクロインフルエンサーとは、概ね1万人以下のフォロワー数を持つアカウントだとされています。

ところが、そのマイクロインフルエンサーマーケティングもバブルで、長くはないとする人もいます。
DIGIDAY 「マイクロインフルエンサーのバブルは、そのうち弾ける」

記事を読んでいると、どうもインフルエンサーだけではなく、マイクロインフルエンサーマーケティングについても、ファンかどうかという視点に欠けている気がしてなりません。広がっても、好感を持ってもらえるかどうかは別問題なのに。
また日本ではインフルエンサーもマイクロインフルエンサーも、ステマ手法のひとつとして使われているようなところがあって、何かおかしい気がします。根本的にソーシャルメディアの時代を、まちがってとらえているのではないでしょうか。

そんな中、マイクロインフルエンサーの使い方が上手だなと思うブランドがあります。サントリーの[金麦]です。


SNSの、あらゆるところに[#金麦のある幸せ]と[#金麦のある食卓]


インスタグラムを見ていると、#金麦〜というハッシュタグをつけた投稿をよく見かけます。ハッシュタグ#金麦 はサントリーからのプロモーションではなく、以前から見かけました。


プロやプロに近い写真を撮る人、一般の人も投稿しています。現在、ハッシュタグ#金麦 での投稿は40,600あります。人気の投稿は商品がメインではなく、ユーザーが料理や食卓の小物として使っているもの。
パッケージの見た目がいいのか、本当に好きなのか、インスタに合うブランドなのか。とにかくこれだけ使われているのですから、後押しすればいいのです。


コミュニティサイトで「金麦と過ごすちょっと幸せ時間」を募集


サントリーの公式サイトには、金麦のブランドサイトの中に、[金麦スタイル]というレシピやちょっといい暮らしの情報などを扱うコミュニティサイトがあります。そこで毎月のテーマにそって、TwitterやInstagramに#金麦のある幸せ をつけて投稿すると、抽選で毎月50名に6缶がプレゼントされるというキャンペーンをやっています。2017年1月のテーマは「金麦とカレー」。
本当に一般のユーザーなので、シズル感などには乏しいですが、数が集まると魅力的です。


投稿をチェックすると、マイクロインフルエンサーというよりも、本当に一般のSNSユーザーです。
これをよくあるプレゼントキャンペーンじゃないと思う人もいるかもしれません。でもよくあるのは、プレゼントが欲しいだけで応募してる人しか集まらないやり方です。それだと見た人やフォロワーには何も響きません。
しかし #金麦のある幸せ をつけているのは、前から料理や食卓の風景を投稿している人が多いのです。金麦あるし、じゃあカレーを作ってハッシュタグ付けて投稿しよう。抽選に当たればラッキーだし ぐらいの動機でやっている人がほとんどではないでしょうか。


マイクロインフルエンサーを使った #金麦のある食卓 はブログからSNSへ


金麦のある食卓は以前、レシピサイトでアイデアを募集して表彰してプレゼントするなど、ブログを中心に展開していました。2014年まででしょうか。
それがこのところはInstagramなどに移行しているようです。

お休みの日はいつも、まだ明るい夕方から始まる我が家の晩酌。 サントリー様からいただいた#金麦 で先日も乾杯🍻 旦那氏に日頃なかなか口に出して言えない「#ありがとう 」の気持ちをこめて、おつかれさま!のシールをペタリと。 ・ おつまみは、2色の大根と大葉を使った大根サラダ、ツナと人参と紫玉ねぎのラペ、そして立派な毛ガニ🦀 北海道から届いた毛ガニを、食卓で解体しながら食べる楽しさったら🙌 そのまま食べたり、三杯酢で食べたり、蟹味噌までしっかり美味しくいただきました🦀 この後、旦那氏作のモツ鍋を食べて満腹に。 またしても食べすぎな、我が家の#金麦のある食卓 なのでした😋 ・ #ありがとうの金麦 #おうち居酒屋 #ふたりごはん
かおしさん(@cao_life)が投稿した写真 -

Twitterでも投稿されていますが、Instagramが主体のようです。Instagramで、料理とインスタ料理写真のプロたち、イコール料理周辺のマイクロインフルエンサーたちは「サントリー様からいただいた」と書かれていますので、経路が見えませんがサントリーからのアプローチでしょう。

ところがプロたちばかりではなく、Twitterも含めて一般的なユーザーたちが、サントリーから何ももらってもいないのに、#金麦のある食卓 を使って投稿しているのです。つまり幸せな食卓、あるいは素敵な食卓には金麦が合う という金麦のSNS内ブランディングが成功していると言えるでしょう。
レシピや盛りつけ、テーブルセッティング、写真の撮り方などなど。Instagramの中の料理クラスタに対する、マイクロインフルエンサーたちの影響力は絶大です。影響された一般ユーザーは、それぞれフォロワーを持っています。

発泡酒/ビールは、どれだけマスで認知度やイメージを上げていても、お店やネットの販売時点に様々なプロモーションが存在していて、ブランドスイッチが起こりやすいはずです。
だから日常的に、イメージに接してもらう必要があります。またどうせ料理や食卓の風景を投稿するのだから、金麦にしておこうとする人だっているはずです。


インフルエンサーマーケティングと言われているものは、ほぼ広告。マイクロインフルエンサーマーケティングと呼ばれているものは、ほぼステマ。
でも本来のマイクロインフルエンサーマーケティングとは、サントリー金麦のような手法なのではないでしょうか。



ネット社会以前、流行現象を感染だと見なして解き明かしたマーケティングの名著『急に売れ始めるにはワケがある』では、感染には三つの原則があるとしています。その一は「少数者の原則」です。ソーシャルメディア全盛の時代になっても、同じではないでしょうか。


急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則 





 株式会社イグジィット ウェブサイト

コメントを投稿